終盤の1失点に「不満」も攻撃に幅。競争原理働く武南がインハイ初戦で9発大勝発進
高校総体県予選・3回戦。関東予選準Vで3回戦から登場の武南は9-1で埼玉平成を下した。
武南は前半4分、DF中村優斗主将のフリーキックからDF加藤天尋がヘディングで決めて先制。8、11分とMF山田藍大が連続してネットを揺らす。21分にはこの日2トップに入ったFW水野将人が前線でのボールカットからゴールに流し込み、前半で4-0と大きなリードを奪った。
後半も勢いは止まらず。開始2分には水野が左サイドを抉り、クロスからMF森田颯がゴール。15分には10番FW櫻井敬太もゴールを陥れた。その後もFW齋藤陸が1ゴール、FW別所龍馬が2ゴールを奪うなど代わって入った選手たちが結果を残し、9得点大勝で初戦突破を飾った。
しかし、終了間際にキーパーからボランチにつけようとしたパスがズレたところを埼玉平成MF小沢有輝に狙われて失点。内野慎一郎監督は「もう1失点あったことがすべて。そういう1点で足下をすくわれることはこれからあるので、そこはちょっと強く言いました。何点取ろうが、失点があるということに関してすごく不満なゲームだった」と終盤の1点について苦言を呈した。
それでも「攻撃に関してはいろいろなバリエーションが出てきて、面白いところが出てきた」。この試合ではこれまで縦関係で並べていた水野と櫻井をあえて2トップの形にするなど変化が。また現在は点を取らせながらサブ組も競争させている中で齋藤と別所がそれぞれゴールで結果を残した。お互いにアピールをしなければいけない中でパスが出てこないという状況はあったものの、「そういう競わせているところではすごく良い状況が出来ているので、これからもっともっと競わせてチームのレベルアップに繋げたいと思っています」と内野監督。ここにこの日は出場がなかったFW萩原康太、FW関谷瑞基を加えた4人で2枠を競わせていく予定だという。
また、初先発フル出場に2ゴールで応えた山田藍や、昨年は浦和レッズJYの主力として高円宮杯4強入りに貢献した1年生MF松原史季も好選手。関東大会では個の差を痛感した中で武南は新たな血を入れて競争力を上げながら、個を成長させてインハイ、選手権での全国を狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 9-1 埼玉平成
4(前半)0
5(後半)1