4年ぶりの夏の全国目指す昌平が決勝へ!年代別代表DFを怪我で欠くも代役CBが仕事

令和4年度全国高校総体県予選・準々決勝が15日に行われ、プリンスリーグ関東1部の昌平と現在S1リーグ首位の武蔵越生が対戦。試合は昌平が1-0で勝利し、決勝進出を決めた。4年ぶりの夏の全国をかけ19日、プリンス1部・西武台をPK戦の末に下した成徳深谷と激突する。

昌平は前半2分、敵陣右中間でFKを獲得すると、FC東京内定の10番MF荒井悠汰(3年)はスリッピーなピッチを利用し、ゴール前でバウンドするボールを選択。ワンバウンドのボールをGKが捕球しきれず、こぼれたところをDF今井大翔(3年)が詰めて右足で決め、先制した。

早々にスコアを動かすと、4分にもMF佐藤海空斗(3年)のアーリークロスからFW鄭志錫(1年)がヘディングで折り返し、荒井が決定機。しかし、雨で湿るピッチコンディションも影響し、なかなかいつものような小気味の良いパス回しでリズムを作っていくことが出来ない。

逆に「選手には引かないで、前に出て積極的にやれというふうに伝えてピッチに送り出した」(井上精二監督)という武蔵越生は吉田聖流(3年)、新穂義仁(3年)、佐藤祥太(2年)の中盤3枚が球際に激しく行き、相手のパスワークを遮断。佐藤が運び出し、前に繋げる場面もあった。

昌平はコンビネーションが難しい中でもMF篠田翼(3年)がパワーのあるドリブル突破で“らしさ”。前半30分、ボールを持つとドリブルで切り込み右足で勢いのあるシュートを放つが、ここは武蔵越生の守護神・関根拓郎(3年)が横っ飛びでこれに反応し、指先で凌いで難を逃れた。

武蔵越生は後半も粘り強く戦い、MF安西歩夢(3年)、FW今野達也(3年)、FW笛木亮成(3年)とカードを切って1点を狙いにいく。引水明けの後半22分にはこの試合最大のチャンス。リスタートから吉田が左サイドでDF2枚の間を割ってクロス。こぼれ球を佐藤が右足シュートで狙うが惜しくも左に。33分には安西のシュート性のアーリークロスがクロスバーをかすめた。

昌平は攻撃は難しい場面もあったが、それでも守備ではさすがの安定感。U-17日本代表DF石川穂高(2年)を怪我で欠いたが、「ずっと準備していた」という今井がその穴を埋め、クレバーな守備が光るU-17日本高校選抜DF津久井佳祐(3年)主将とともにしっかりと後ろをケア。そして最後のところではGK上林真人(3年)が立ちふさがり、3試合連続の「0」で締めた。

藤島崇之監督は「ちょっと思いのほか、グラウンド状態もあり、やりにくそうな状況にはなった。もっと強気を出していければ良かったと思いますけど、ただやっぱり勝負のところでしっかり0で行くというのもベースだったので、そこはひとつフォーカスしながらまた次の試合に向けた状況にしていければいい」と苦戦を認めつつ、「0」で抑えた守備には一定の評価を与えた。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 1-0 武蔵越生
1(前半)0
0(後半)0