高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 埼玉県リーグS1リーグ最終節 昌平 vs 武南

3日にS1リーグ最終節が各地で行われ、昌平高校グラウンドでは昌平高校と武南高校が対戦。試合は1点を争う展開となる中で後半38分、DF小田桐陸也のフリーキックが決勝点となって昌平が3ー2で勝利。S1優勝を決めるとともに、目標としていた「県内5冠」を達成した。

前節西武台高校との大一番をMF山下勇希のゴールで制した昌平。引き分け以上でタイトルが決まる今節はゲームキャプテンにDF河合友也を据え、大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ。

そんな中序盤から試合を優勢に進めた昌平は前半22分に先制点。「押し込んではいたが、シュートが全然なかった。強引にでも1本打とうと思っていた」というFW石川尚が縦パスのこぼれ球に相手の足が一瞬止まった隙を見逃さずに鋭い反転から右足でファーに突き刺した。

その後も石川へのロングボールやMF髙見勇太の仕掛けなどから緑のユニフォームが相手サードでプレーする展開が続いた。それでもこのまま終わるかと思われた前半43分に武南がワンチャンスをものにする。カウンターからFW金子海斗がドリブルで運ぶと、最後は選手権予選準々決勝でも得点したMF長谷川魁哉が決めて1ー1の同点としてハーフタイムを迎えた。

後半早々には昌平が再び勝ち越す。3分、セットプレーから混戦が生まれると、キーパーの弾いたボールにMF伊藤雄教が反応。左足を思い切り振り抜いてネットを揺らした。この日プレーしたトップ下以外にもトップやサイドのポジションもこなし、「どのポジションでもゴールを意識している」という前への推進力が自慢のアタッカーが決めて再びリードを奪った。

しかし武南も意地を見せる。後半23分、1年生FW飯塚翼のアシストからMF桜井潤人がバーに当てながらも叩き込んで同点に。勢いに乗る紫軍団は28分、32分にもチャンスを作った。

それでもここを守備陣がしっかりと耐えた昌平。後半38分にゴール右斜め前の位置でフリーキックを獲得するとボールの前には小田桐が立つ。出場予定だった選手が前日に怪我をして当日にスタメンを言い渡されたというが、「キックには自信がある。フリーキックも自信を持って蹴れた」。左足で放たれたボールは相手DFに当たりながらもゴールに吸い込まれた。

これが決勝点となり3ー2で勝った昌平が勝ち点を48まで伸ばしS1リーグを制覇。新人戦、関東予選、総体予選、選手権予選に続き、県内5冠に輝いた。これまでにも武南による4冠はあったが、2012年にユースリーグが立ち上がってコンペティションが増えてから5冠は初。

藤島崇之監督は第7節で正智深谷高校に、第8節で西武台に敗れたリーグ前期を振り返りながら「悔しい想いはしたが、あの試合があったから次につながったところはあるのかなといまは思う」。その悔しさを糧に後期は第16節の正智深谷戦、そして同勝ち点で天下分け目の天王山となった第17節の西武台戦でのリベンジを含む全勝を飾ってリーグタイトルをつかんだ。

これから年末にかけてプリンスリーグ参入戦、そして選手権全国大会と厳しい戦いが続く。

「選手権に向かっていくためには、いまやっていることにプラスαのエッセンスがないと勝ちきれない」。今節では「チャンスだぞ、チャレンジだぞ!」と鼓舞しながら選手権ではあまり出番のなかった選手たちに機会を与えた。得点チャンスや失点シーンなどはまだ甘さが見られるとしたが、その中で「次につながるパフォーマンスは出してくれた」と藤島監督。

先制点の石川は「技に磨きをかけて佐相(壱明)にもっと緊張感を持ってプレーさせられるようにしたい」。テクニカルなスタメン組に対し前への推進力を見せた伊藤は「トップにはない味を今日は出せたと思います」と振り返った。

西武台戦では欠場の石井優輝主将に代わって守備を率い、この日はキャプテンマークを巻いた河合は「(スタメン獲得の)チャンスはまだまだある。それはみんなも気持ち的には変わらないと思う」とサブ組の想いを代弁する。

ここから先は真の意味で総力が問われる。もうひとつの目標である「日本一」を達成するためにもサブも含めてチームとしてさらに一段レベルアップできるかが重要になってくる。

その前にまずはプリンス参入戦が控える。「昨年は本当に悔しい想いをした。そういった意味でもモチベーションは間違いなく高い」(藤島監督)。昨年持ち帰ることのできなかった忘れ物を取り戻すために。昌平は23日の1回戦で矢板中央高校(栃木県代表)との戦いに臨む。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 3-2 武南

1(前半)1
2(後半)1

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