埼玉国際サッカーフェスティバル2018 埼玉県選抜A vs パルメイラス

埼玉国際サッカーフェスティバル2018 最終日。U-16男子埼玉県選抜Aはともに全勝のパルメイラスと対戦。先制を許すもFW山内太陽(昌平高校)、MF松村大也(浦和レッズJrユース)のゴールで一時は逆転に成功したが、その後失点を重ねて2ー3で敗戦。準優勝に終わった。


得失点差で優勝には勝利が条件の選抜A。だが、前半は相手の個やスピードに圧倒される展開となる。11分にはミスから中盤でボールを失うと、相手のカウンターから先制点を許した。

以降も押し込まれる時間が続いたが、それでもハーフタイム前に回ってきたワンチャンスをものにして同点に追いついた。前半24分、MF盛嘉伊人(浦和レッズJrユース)のフリーキックをニアでDF福井啓太(大宮アルディージャJrユース)がすらすと、ファーで待ち構えていた山内が思い切り蹴り足を振り抜く。ボールはキーパーの股下を通ってゴールに吸い込まれた。

同選抜では新高校2年生の早生まれ組としてメンバー入りしている山内。「自分はやっぱり一個上として戦う姿勢というか、精神的に引っ張れればいいと思っていた。前半は圧倒される中で自分だけでも相手と強く当たってみんなを鼓舞できるようなプレーを意識していました」。

勢いに乗ったチームは後半4分に再びのセットプレーから試合をひっくり返す。盛のフリーキックをFW大澤朋也(大宮アルディージャJrユース)がヘディングシュート。これはゴールポストに阻まれたが、「こぼれ球を狙っていた」という松村がリバウンドをしっかりと沈めた。

その後も大澤の個人技や松村のサイド突破などでチャンスを作ったが、最後のフィニッシュの部分で得点には至らないままでいると後半11分に失点してゲームを振り出しに戻される。

これで攻撃に出るしかなくなった選抜Aだが、後半18分には逆に前がかりになったところを突かれて再度、勝ち越しを許した。結局2ー3で破れ、昨年に続く大会連覇とはならなかった。

一時は逆転するなど通用した部分もある中で同時に各々が多くの課題を感じた一戦となった。主将の福井は「対人の部分がちょっとまだ足りてないなと思った」。優秀選手に選出された松村も「テクニックだったり、ポテンシャルの部分、フィジカルの部分は弱く感じました」。大会前にはそれぞれアルディージャ、レッズでパルメイラスと練習試合をしていたが、大会仕様で勝負にこだわってきた相手に対し「全然違うチームだった」(松村)と老かいさも感じた。

同点弾の山内も「自分も後半に一回抜け出したシーンがあったが、やっぱりブラジルは勝負所でミスしないで決めてくる。それは自分には足りない部分だと思いました」と振り返った。

今後はそれぞれの環境に戻りレベルアップを図る。松村は「フィジカルだったりスピードだったり、自分でも成長できる部分がまだある」とし、山内は「高校ではなかなか結果を出せない中でこの大会で何か自分が変われるきっかけにできればと思っていた。初めてこういうスタジアムのピッチでやって、こういうところで結果を残せたのは自信になりました。自信を持って昌平高校でもチームに貢献できるようになっていきたい」とタレント集団での活躍を誓った。

関東トレセンリーグ開幕まであと一ヶ月。今大会で得た経験、課題を糧にそれぞれが置かれた主戦場でさらなるスケールアップを重ねて、まずは4大会ぶりの国体・全国大会出場を狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉県選抜A 2-3 パルメイラス

1(前半)1
1(後半)2