全国高等学校総合体育大会 埼玉県予選1回戦 西武文理 vs 武南

全国高校総体・埼玉県予選1回戦。川越東高校会場第2試合は西武文理高校と武南高校が対戦。ともにS1リーグに籍を置く強豪同士の一戦は、武南が前半2点、後半2点を加えて4ー0で勝利し2回戦進出。尚、武南は翌日の2回戦も制してベスト16を決めた。

両校が当たるのは新人戦、リーグと続き、今年3回目(武南の2勝0敗)。「相手が前からガツガツくるのはわかっていた。1対1の局面だとか、そういう戦いの部分で負けないようにしようというのは話していました」と武南主将のDF岡野颯。

「少し嫌な感じもあった」(大山照人監督)という立ち上がりをしのぐと、早い時間帯にセットプレーから先制ゴールが生まれた。

前半8分、右コーナーキックの場面にMF鶴田雄大から正確なボールが入ると、「練習中から(取るぞと)話していた」という岡野が頭で押し込んだ。「あの時間帯に、あのコーナーキックで点を取れたというのはチームに良い影響を与えることができたと思う」(岡野)。

キャプテンの一撃で勢いを強めた武南は後半33分に追加点。FW長谷川魁哉が右サイドを突破すると、ファーサイドでMF桜井潤人がボールを呼び込む。「前の方が多分フリーだっだと思うが、決める自信があったので声をかけてスルーしてもらった」と桜井。右にスライドしながらするすると中央に入っていくと、右足でうまく流し込んで2ー0とした。

対する西武文理はサイド攻撃や、佐藤龍一と橋爪健の迫力ある2トップにロングボールを入れるなどして攻撃を展開していくが、なかなか決定機につながらず。前半は武南を上回るシュート4本(武南は3本)を放つも、得点に結びつけることができなかった。

すると後半5分には武南に3点目。先制シーンでも正確なキックを披露した鶴田が左サイドからクロスを送ると、長谷川がジャンプ一番ヘディングシュート。これは西武文理GK佐藤玲緒がなんとか弾き出したが、そのこぼれ球をFW金子海斗がしっかりと詰めた。

後半15分にはその金子が左サイドでチャンスメイク。「うまくスペースに走り込めて、そこから時間に余裕を持って仕掛けることができた」(金子)。仲間の押し上げる時間を稼ぐと中央へマイナスのクロス。これを途中出場のMF田原裕貴が流し込んでリードを4点とした。

西武文理は後半28分にサイドチェンジからの左クロスに、佐藤がまたいで後半投入のFW奈良陽輔が詰めるもゴールとはならず。ディフェンス陣も最後まで身体を投げ出して守備を行うなど気合のこもったプレーを見せたが、またしても武南の前に破れることとなった。

4得点大勝だが、指揮官は「剛・柔」の「柔」の部分、狭いスペースの中で相手を崩していくプレーや突破するワンツーなどといったアイディアが少なかったことを課題に挙げた。それでも「新チームになってから(失点)0というのはほとんどなかった。内容は置いておいても0に抑えるということは大事なこと」と無失点に抑えたことは次につながるとした。

2回戦の相手は関東大会予選で敗れ、シード権を失うことになった因縁の狭山ヶ丘高校に。「この子たちに意地があるのかどうかを見ていたい。雪辱に対するリベンジ、気持ちがあるかどうかを」と大山監督は話していたが、迎えた翌日は狭山ヶ丘を1ー0で下し、見事雪辱を果たした。山場を乗り越え、目指すは2013年以来16度目の総体予選Vだ。

17日の3回戦で武南は進修館高校(埼玉工業大学会場)と対戦する。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武文理 0-4 武南

0(前半)2
0(後半)2