関東高校女子サッカー選手権大会1回戦 本庄第一 vs 前橋育英

第28回関東高校女子サッカー選手権大会・1回戦(9日、コーエイ前橋フットボールセンター)。埼玉第2代表の本庄第一は0ー3で前橋育英(群馬第1)に敗れ、初戦で姿を消した。

本庄第一は前半なかなか中盤でのイーブンのボールをキープすることができず、徐々に相手に押し込まれる展開となると、23分にGK西條緑からの配球を狙われ先制点を喫した。

後半はしっかりとそのあたりを修正。MF和田千咲らが五分のボールをものにし、前半は数が少なかったサイドからの展開からスピードのあるFW林里咲が次々と仕掛けてセットプレーを獲得していく。12分には和田のフリーキックからFW越高羽菜がヘディングでゴールに迫る。

しかしこの時間帯で決めきれずにいると、後半18分にコーナーキックからのセカンドアタックを叩き込まれ失点。36分にはコーナーキックを直接ネットに決められて、0ー3で敗れた。

「良いサッカー」から「勝つサッカー」へ。キワにこだわり来年はさらに高い景色へ

決してやってきたサッカーが通用しなかったわけではない。勝負を分けたのはピッチ全体でのキワの部分。本庄第一は「良いゲーム」をしたが、それを「勝つゲーム」にできなかった。

球際で優勢を許し押し込まれた前半、自ゴール前でのパスミスを狙われ失点。後半はそこを修正し最初の10分はセカンドを拾ってサイド攻撃、セットプレーと迫ったが、ネットを揺らすことができなかった。キャプテンマークを巻いた和田は「後半は押せ押せで相手ゴール前でプレーをしていた中で、やっぱり点が決めきれなかったのが相手との差かなと思います」とした。

トップレベルになればひとつのミスが命取りとなる。トップレベルになればワンチャンスを決めきらなければ上には行けない。勝負の世界に確実に存在するキワの部分。当たり前のことのようではあるが、この日ピッチに立ったメンバーたちはそこの差を大きく実感したはずだ。

2年生にはこの経験を活かす機会がある。「絶対に同じことはしたくないし、来年は3年生に喜んでもらえるような結果を出したい」と杉田。MF松野尾沙也は溢れる涙を抑えながら「シュートで終われなかったり、最後のところが甘かった。来年は絶対に良いところまで行けるように、この悔しさをバネに頑張りたい」と躍進を誓う。この経験が自分たちを強くしてくれたと笑って3年生に話せるように、来年は4年ぶりの県タイトルを獲得しこの舞台に帰ってくる。

和田千咲「この15人じゃなかったら乗り越えられなかった」

結果がすべてかなと。相手は毎年関東大会で経験を積んでいるのに対して、自分らは去年逃したり、積み重ねの差が出たのかなと思います。(後輩たちに向けては)出ていた子も出ていなかった子も、ここから再スタートみたいな感じになると思うので、全員で切磋琢磨して上を目指してやってもらえればと思います。3年生は15人いるんですけど、この15人じゃなかったら乗り越えられなかったこととかたくさんあったと思うので、仲間にはすごく感謝しています。

越高羽菜「悔いなくできました」

戦えていたとは思うので自分としては悔いなくできました。ただやっぱり上に行きたかったです。1、2年生は個性豊かなチーム。チーム力を一番の強みとして高めていってほしいです。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 0-3 前橋育英

0(前半)1
0(後半)2