関東高校女子サッカー選手権大会1回戦 花咲徳栄 vs 修徳

第28回関東高校女子サッカー選手権大会・1回戦(9日、コーエイ前橋フットボールセンター)。4年連続の全国を狙った花咲徳栄(埼玉第1)は0ー1で修徳(東京第2)に敗れた。

前半からボールを持たれる展開の中で花咲徳栄はまずはしっかりと守って、攻撃ではやはりキープに長ける10番のMF渡邉莉沙子がタメを作り、ディフェンスラインから斜めへのロングフィードからこの日左サイドに入ったFW加藤心和のところをひとつ起点として反撃を試みる。

後半は修徳のセットプレー攻勢に遭いながらも全員で最後の部分で身体を張って耐えていたが、25分にコーナーキックから失点。36分にはエリア内でファールを取られるもGK浅見桃香が執念のPKストップを見せるなど、終了のホイッスルまで諦めない姿勢を見せたが、押し込まれる展開の中でこの日はゴールが遠く。0ー1で敗れ、4年連続の選手権出場はかなわなかった。

全国には届かずも大きく成長した3年生 渡邉「技術よりも人間性として成長できた」

全国には届かなかったが、末貴光監督は大きく成長した3年生を誇らしそうに話していた。

大会直前には村田女子やレッズといった強豪と練習試合を戦った中ですべて勝利。その勝利に牽引したのが3年生だった。また開会式では「私が言うのもあれなんですが、立ち回り、行動、式での返事も一番良かったと思います。人としてやっぱり育ってくれているなというところは、負けて本当に悔しいんですけど爽やかというか、本当に「3年生ありがとう」と。もうそれだけですね。本当に気持ちの良い子が多くてよくやってくれたなというように思います」。

10番を背負い今年のチームを牽引した渡邉は「やっぱり最高学年として、副キャプテンとして、自分が声を出さなかったら下級生も絶対に声を出せないと思うし、自信を持てないと思うので、自分からどんどん勇気を持たせる声を出して、下級生に自信を持たせるような声かけというのをずっと意識してやってきた。入学当初は本当に自分自身声を出すこともできないし、試合に出ているのにコミュニケーションが取れなかったり、気持ちの弱いプレーが多くて、それは最高学年になっても言われることは多かったんですけど、やっぱり自分から気持ちの部分でもチームを引っ張っていかないとダメというのは途中で本当に強く思うようになって、3年間を通してそこは本当に一番、技術よりも人間性として、成長できたと思います」と胸を張る。

後ろでは守護神・浅見がチームを支えた。「自分は3年間スタメンで出させてもらっていた中で2年間は先輩に頼りっぱなしで、本当に何もできていなかった。絶対に自分で後ろから支えて、前の人たちに勢いづけられるようなプレーをすることと、声をずっと出し続けるということはこの試合は絶対に徹底するっていうことを心がけていました。それを最後までやりきれたことは良かったと思います」。終盤にはこれが決まるとかなり苦しくなるという状況で気持ちを見せたPKストップでチームを鼓舞。最後尾から声を張り上げ、仲間たちを勇気づけ続けた。

「全国大会に出場したかったですけど、何よりもこのチームで最後まで全力で戦えたことは本当に良かったし悔いはありません」と渡邉。浅見は「最後の試合を修徳とできたことが嬉しかったし、このような試合展開の中でキーパーをできたことが何よりも良かった。全国で戦うよりももっと大きい意味のあった試合になったんじゃないかなと思います」とした。昨年の全国8超え目標としてスタートした今年。自分たちの代で全国に行くことはできなかった。それでも彼女たちはそれ以上に大切なものをその両手にたくさん抱えて新たな世界に巣立って行く。

「今年の代よりももっと強く」 2年生DF佐藤美莉は頬を伝った涙に来年の全国を誓う

「もうずっと攻められっぱなしで、コーナーキックも全部跳ね返す気持ちで頑張っていたんですけど1点取られてこういう結果になったのは悔しい。守りきれなくて、3年生には申し訳ないです」。そう振り返ったDF佐藤美莉の頬には流したばかりであろう一筋の涙が伝っていた。

県では勝てていた場面で五分の状況に持ち込まれながら強さを見せたが、個の高い選手が揃う全国区のチームを1試合抑え切る難しさも痛感した。「1回取られてもそのあとに取り返して、ひとりが持ったのに対して2人、3人と出てきてマークを見失ってしまう部分があって、そこからセンタリングとかでやられてしまう部分があった。そこが違かったかなと思います」。

来年は再び全国を目指し1からのスタートとなる。「来年も自分たちがディフェンスラインの主体になると思うので県大会から集中して全部無失点でいけるように、前の選手には余裕を持って、自信を持って点を決めてもらえるように、今年の代よりももっと強くなって全国へ行きたいです」。この日頬を伝った涙に誓って来年はさらに強いチームになって全国に帰還する。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 1-0 修徳

0(前半)0
1(後半)0

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