令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部2回戦 加須大利根 vs 滑川

令和元年度学校総合体育大会中学校サッカーの部・2回戦(22日、与野八王子グラウンドほか)。加須大利根中学校は主将のMF山浦紘の終了間際の劇的決勝ゴールで滑川中学校を下した。

立ち上がりからペースを握ったのは滑川だった。13分にはスルーパスに抜け出したFW藤村虎之助がキーパーとの1対1を迎えると、後半はさらにその勢いを増して相手ゴールに迫った。

大利根にとっては苦しい時間が続いたが、後半アディショナルタイムにドラマが待っていた。

後半30分、相手のゴールキックをMF互井大暉がヘディングではじき返すと、セカンドボールを拾ったMF山浦紘がターンから右足を一閃。直後鋭いシュートがネットに突き刺さり、これが決勝点となった。少ないチャンスを生かした大利根が苦しみながらも1ー0で勝利を掴んだ。

「昨日、今日とどちらも格上で、正直10回やって1回勝てるかどうかのところだったと思う。勝てたのは日頃から自分たちの武器はなんなのか、ボールを持った時に自分たちがどう戦うのかをこれまでの練習で子供たちが頑張ってきたからなのかなと思います」と手塚大地監督。

北彩地区の代表として1回戦では人口や部としての規模などで差のあるさいたま市の大谷口中学校を2ー2からのPK戦の末に撃破。勢いに乗ると2回戦も押し込まれる中、前戦で得た自信を胸に最後まで諦めず戦い抜き後半アディショナルタイムの劇的弾で2度目の金星を挙げた。

新任として4月に赴任したばかりの指揮官は「本当に良いものを見せてもらっている」とし、「メニューを与えるとそこからどうしたらよくなるかという声かけが普段からある。こんなにいろいろと自分たちで作っていくことができるんだな」と子供たちの可能性に驚いていた。

「自分が決める!」 キャプテン山浦が後半アディショナルタイムに劇的決勝弾

「ヒロに回せ!」。終盤ピッチ内から聞こえてきた声が何よりの信頼の証だ。

0ー0で進む中でアディショナルタイムを迎えた後半30分、ゴールキックを味方がヘディングで跳ね返したボールを受けたMF山浦紘は「ゴールが空いているな」と冷静に状況を分析。ターンから右足を振り抜くと鋭い一発をサイドネットに突き刺さし、仲間からの信頼に応えた。

今季はキャプテン、部長として、そして精神的支柱としてチームを牽引。「やっぱり自分が試合を決めるみたいな気持ちはあります」と、他の誰よりも「俺がやらなきゃ」という強い責任感を持ってプレーしてきた背番号7が逆境を跳ね返し、チームの16強入りの原動力となった。

石黒登(取材・文)

試合結果

加須大利根 1-0 滑川