令和元年度 全国高校総体サッカー大会 埼玉県予選2回戦 本庄東 vs 早大本庄

インターハイ予選2回戦。埼玉工業大学会場第2試合は、早大本庄高校が3ー1で本庄東高校を下し、3回戦進出を決めた。次戦は4年ぶりの8強をかけて、埼玉平成高校と対戦する。

1回戦は延長戦の末の勝利だったこともあり、序盤はやや重さもあった早大本庄だが、固さも取れ始めた中盤以降は攻撃の形を増やし、MF戸部広大のフリーキックなどからゴールに迫る。

するとスコアが動いたのは前半25分。MF富永東吾が右サイドでボールをキープすると、入れ替わったDF奥野壮太がエリア内に切り込みながらグラウンダーのクロス。これをニアサイドでMF亀田啓太がスルーして、裏に走ったFW双木駿が混戦の中、右足で流し込んで先制した。

後半も早大本庄ペースで展開。28分には相手のゴールキックをボランチの戸部がヘディングで前線に大きく跳ね返すと、このボールに抜け出した双木が右足で突き刺して2ー0とした。

本庄東は後半33分、カウンターからFW塚原臣吾が沈めて1点を返したが、早大本庄は終了前の39分、戸部を起点に連続してパスを繋ぐと、MF金澤広太郎のスルーパスに反応したのはこの日2ゴールの双木。完璧なタイミングで抜け出して独走すると、右足で冷静に沈めてハットトリックを達成。終始優勢にゲームを進めた早大本庄が3ー1で「本庄ダービー」を制した。

次戦は県ベストの8強入りをかけて埼玉平成高校と対決が待つ。「技術が高いし、そういう相手にどこまでプレッシャーをかけ続けられるかが鍵だと思います」と篠田洋之監督。主将の戸部は「隙を見せたら絶対にやられる。集中して守備からやっていきたい」と気を引き締めた。

2年生FW双木が得意の裏抜け2本含むハットトリック! スランプ乗り越え大会5点目

ハットトリックのうち、2本は得意の裏抜けからのゴール。特に3点目はタイミング、スピードともに完璧な抜け出しを見せて、追いすがる相手ディフェンスに影すら踏ませなかった。

指揮官も「自分のタイミングがよく取れる。打つ前に「入ったな」という感触はいつもある」というように、抜けた瞬間に“勝負あり”と思わせる裏抜けは武器のスピードを生かすために高校に入ってから取り組んだもの。チームメイトもそんな双木の特徴をよく理解しており、ビルドアップで相手を揺さぶりながら、ギャップをついていく場面がこの試合でも多く見られた。

大会前には「ちょっと点から遠ざかっていてスランプ気味だった」という中で1回戦のスタメンから外れたが、後半途中から出場すると、延長戦でチームを勝利に導く2ゴールを決めて自らの存在を証明。この日のハットトリックを含め、チームの全得点となる5得点と爆発中だ。

次戦は難敵・埼玉平成戦だが、波に乗る俊足FWは「まず先制点を決めてチームを勢いに乗らせたい。その上であともう1点くらい欲しいですね」と、ゴールゲッターらしい欲を見せた。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄東 1-3 早大本庄

0(前半)1
1(後半)2