令和元年度 全国高校総体サッカー大会 埼玉県予選2回戦 正智深谷 vs 昌平

インターハイ予選2回戦。新人戦決勝でも争った昌平高校と正智深谷高校の注目の一戦は、正智深谷が3連覇中の昌平を3ー0で下し、リベンジした。3回戦は立教新座高校と対戦する。

開始から狙いとする形を作ったのは正智深谷。「選手権は5バックにしたことでただ蹴るだけになってしまった。今日は4ー4ー2で奪った後に両サイドが高い位置を取ることを心がけました」(DF山田裕翔)。相手の強力攻撃陣に対し、引かずに前からかけて試合のペースを握る。

すると先制点は狙いとしていたサイドからだった。前半16分、右サイドバックに入った松野響のアーリークロスにMF浅見竜輝が左足を一閃。直後豪快なゴラッソがネットに突き刺さった。

一方、前半は相手の組織的な守備に対し、シュート1本に終わった昌平も後半に仕掛ける。16分にはMF鎌田大夢のスルーパスに抜け出した新人戦得点王のDF大竹琉生が決定的なシーンを迎えるが、ここはDF大塚天翔が身体を投げ出してシュートブロックしてゴールは許さない。

相手の攻撃をしっかりと凌いだ正智深谷は後半24分、右サイドハーフの佐々木達也のクロスをFW山本滉が中央で競ったボールが逆サイドにこぼれると、そこに待っていたのは10番のFW波多野晟愛。怪我でこの日は途中出場となったエースの追加点で勝利を一気に手繰り寄せた。

昌平はMF須藤直輝、MF大和海里らが最後まで仕掛けていく姿勢を見せたが、1点が遠く。逆に正智深谷は後半37分にクロスからの混戦からFW金田奎人が決めてダメ推しとなる3点目。新人戦で0ー3と敗れた相手に対し、3ー0とリベンジした正智深谷が注目の一戦を制した。

小島時和監督は「状況を見て、よく判断してやってくれた。みんなで相手の機能しないコースを徹底して抑えることができた。昌平は攻撃が全国クラス。その攻撃を抑えた守備が勝因だと思います。きつかったと思うけど、よくやり遂げてくれた」と“0”で耐えた守備面を称えた。

「俺の分まで頑張ってくれ」エースからバトン受けた浅見が期待に応えるゴラッソ!

新人戦になくて、この試合にあったもの。それは先制点だ。2月の戦いでも前半は押し込んだが、得点だけが足りなかった。そういった意味ではMF浅見竜輝の1点目は重要な瞬間だった。

前半16分、松野からのアーリークロスに「ボールが浮いている時にもうゴールを意識していて、シュートを打とうと思っていた」と浅見。後ろ向きの守備に相手ディフェンスの対応が一瞬遅れた中でトラップしてからという選択肢もあったが、「キックには自信があったので、思い切り振りぬきました」。直後真芯を捉えた豪快なダイレクトボレーがネットに突き刺さった。

大会直前にエースの波多野が負傷。新人戦、関東予選は途中出場、これまでS1リーグでは先発することもあったものの、トーナメントでは初スタメンだった中で「晟愛くんからも「俺の分まで頑張ってくれ」と言われていた。緊張はしていたんですけど、晟愛くんの分までやらないとないう感じで頑張りました」。受けたバトンに、ゴールという最高の結果で応えてみせた。

リーグ戦でも得点を重ねるスピードが武器の2年生アタッカーは「もっとゴールを決めて、サイドをスピードでぶっちぎって、アシストとかもいっぱいしたいです」と意気込みを語った。

波多野晟愛と山田裕翔 正智深谷を力強く牽引する2人のチームリーダー

波多野晟愛と山田裕翔。今季チームを牽引する2人は試合後、大きな抱擁で勝利を喜んだ。

ともに1年生からメンバー入り。1年時には浦和西に、2年時には昌平に選手権で敗れるなど悔しい想いをしてきた中、今年は「自分たちが引っ張っていく」という強い気持ちを持って最後の1年に臨んでいる。2月の新人戦決勝では昌平に0ー3で敗れ、リベンジを誓っていた。

関東予選での再戦とはならなかったが、インターハイ予選でその機会が訪れると山田は恐れずにディフェンスラインをコントロールし、最後の部分ではしっかりと身体を張って強力攻撃陣を零封。直近のリーグ戦で靭帯を損傷した波多野は、まだ右足に痛みも残る中で後半途中からピッチに入ると、練習を重ねてきた左足でチーム2点目をゲットし、勝負の趨勢を決めた。

「タイトルが取れなかった分、今年は本当に責任感というのが増している。2年生も多く試合に出ている中で、やっぱり自分も晟愛も引っ張らなきゃいけないという気持ちが本当に今年は強いからこそ、自分も0で抑えられていますし、晟愛も今日みたいに大事なところで点を決められているのかなと思います」と山田。攻守のエースが引っ張って悲願の全国出場を決める。

石黒登(取材・文)

試合結果

正智深谷 3-0 昌平
2(前半)0
1(後半)0

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