令和元年度 全国高校総体サッカー大会 埼玉県予選1回戦 市立浦和 vs 立教新座

インターハイ予選が8日、立教新座会場など県内10会場で開幕。1回戦屈指の好カードとなった立教新座高校と市立浦和高校の一戦は、昨年大会ベスト4の立教新座2ー0で勝利した。

立ち上がりからボールを持ってゲームを進めたのは市立浦和だったが、立教新座は3バックと両ウイングバックが下がった5枚で後ろのフリースペースを埋めて効果的な前進は許さない。

初戦の固さもあり、なかなか攻撃には転じることができずにいたが、前半27分に相手キーパーからのリスタートを前線で奪ったFW風間太季がそのままドリブルで侵入するとエリア内で倒されてPKを獲得。これを主将のDF小堀慶和が落ち着いてゴール右に決めて均衡を破った。

先制点を失った市立浦和は得点力のある右サイドバックの大森正心が積極的に狙っていくが、後半38分のエリア外からのミドルシュートはキーパーの好守にあってゴールとはならない。

すると立教新座は後半早々に鍵に挙げていたセットプレーから追加点を挙げた。3分、ゴール前でフリーキックを獲得すると「チャンスがあったら絶対に決めようと思っていた。あそこに蹴る練習はしていたので、あとは練習通り蹴るだけでした」とMF森田幹杜。左足を振り抜くと、キーパーの反応を許さない直接フリーキックが綺麗な弧を描きながら右隅に突き刺さった。

攻めるしかない市立浦和は怪我明けのエース・鹿屋覚を後半16分から投入したが、2点を先行し後半は攻める回数を増やした立教新座がそのまま2ー0で勝利し、注目の一戦を制した。

昨年は関東予選準優勝で55年ぶりの本戦進出、インターハイ予選も4強に勝ち上がった立教新座だが、1月の新人戦支部予選では「なんとかなるだろう」「誰かがなんとかしてくれるだろう」という雰囲気もあったという中で東野高校に0ー1で敗戦、関東予選の出場権も逃した。

「今年はすごく長い期間トーナメントを経験できずに悔しい想いがあった。初戦としてはもうぶつかるだけの相手だったので、私も選手もそういう気持ちで向かうことができた」と前田和伸監督。難敵撃破の勢いのままチームは朝霞西高校を4ー0で破って3回戦進出を果たした。

我慢の時を乗り越えて、躍進を狙う今大会。次戦は大会3連覇中だった本命・昌平高校を破った正智深谷高校と、強豪校との対決が続くが、チャレンジャー精神でぶつかっていくのみだ。

「相手の隙に入り込む」プレーが持ち味 2年生FW風間が値千金のPK奪取!

先制点のきっかけとなったのは2年生FW風間太季の相手の「隙」を突いていくプレーだ。

序盤はなかなかボールが落ち着かず、押し込まれる時間が多かった中で前半27分、相手ゴールからのリスタートに対し、「出した時に「これ届くな」と思った」とキーパーとディフェンス間のショートパスをスライディングでカット。そのままドリブルでエリア内に侵入すると、キーパーを外しに行ったプレーから先制ゴールに繋がる値千金のペナルティーキックを獲得した。

「特に足が速いわけでもないし、キックがあるわけでもない。自分的にはあまり特徴がないと思っている」という背番号14が持ち味にしているのが「相手の隙に入り込む」プレー。そこには常に鋭敏にアンテナを張り巡らせているという。先制点はそんな風間の良さが出た場面だ。

攻めの形が出てきた後半はダイナミックなドリブル突破などでもチームを牽引。「今日は思った通りに身体が動いた」と、21分にピッチアウトするまで攻守において精力的に走り回った。

身体を張ったプレーや献身的な守備も光るFW中野渡礼旺との2年生2トップの関係も良好だ。途中出場から決定機演出などさすがのプレーを見せたものの、エースFW渡邉佑はまだ怪我明けで万全のコンディションではない中で「中野渡も風間もそこに引けを取らないくらいのパフォーマンスを最近発揮している。良い意味で競争が出来始めている」と指揮官も期待する。

1回戦後には「まずチームのために走るのは当たり前なんですけど、個人的には得点も狙っていきたい」と話していた風間だが、翌日行われた2回戦・朝霞西戦ではいきなり有言実行のハットトリック達成。求めていたゴールという結果も残し、今後波に乗っていく可能性もある。

ベスト16は新人戦準Vの正智深谷が相手だが、強豪と言えど80分を戦う中では必ずひとつやふたつの隙は見せるはず。その一瞬の隙を突いて、2年連続の準々決勝に導きたいところだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

市立浦和 0-2 立教新座

0(前半)1
0(後半)1

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