令和元年度 全国高校総体サッカー大会 埼玉県予選1回戦 浦和学院 vs 久喜北陽

インターハイ予選1回戦。S1リーグ所属の浦和学院高校は7ー0で久喜北陽高校を下した。


自慢の攻撃力を発揮した浦和学院が7得点快勝した。前半8分にMF唐川拓巳のアシストからセンターFWの今村健人が決めて先制すると、20分には混戦をMF田代慈英が決めて追加点。

勢いは止まらず前半33分にはDF渡邊翔太の右クロスを今村がスルーしてトップ下の本田彪が合わせて3点目。39分には唐川が右足の強烈なミドルを突き刺すと、アディショナルタイムには左サイドバックの鶴身吏理にも得点が生まれるなど、前半だけで大量5点を奪ってみせる。

後半は立ち上がりから3枚を入れ替え。右サイドに入ったMF川俣怜緒夢が果敢な仕掛けを見せると、19分にはクロスのこぼれ球をこちらもハーフタイムからピッチインしたMF元吉大翼が決めて6ー0。その後も交代枠5枚をフルで使った浦和学院は試合終了前の38分、本田の右コーナーキックを途中出場のDF有馬陸がドンピシャのヘディングで合わせてダメを押した。

久喜北陽はMF染谷力生を起点にカウンターを狙うも、なかなか前線にボールを運ぶことは叶わず。終盤はセットプレーから押し込みにかかったが、ネットを揺らすことはできなかった。

レッズで育成年代を指導した村松浩監督が就任 新指揮官が目指すスタイルとは?

今季から浦和学院は浦和レッズで育成年代の指導やレディースチームの監督を務めてきた村松浩監督を招聘。初の高体連指導となる指揮官が同校で実現しようとしているサッカーとは。

「サッカーで上を目指したいと日々練習に取り組んでいる選手たちなので、結果も求めていかなければいけない部分もありますが、ただ僕の中では高体連といってもやっぱり高校生年代。まだ大学や先があることを考えた時に、手段を選ばずとにかく勝てばいいというのではなく、やっぱりその先に繋がるためのサッカーをみんなが志向していく中で、基本的な個人の戦術理解と技術の発揮という部分で攻撃守備両方にわたってそこがちゃんとできる選手、その上でそれぞれの個性をどのタイミングで生かしていくかをひとりひとりに求めている」と村松監督。

「チームとしてそこがうまく噛み合ってくれば自ずと良い結果は出てくると思う」とした指揮官は「県で一番になるだけじゃなく、県で一番になれたら次は全国と上を目指していけるようなチームにしていく必要がある」と、常に上を目指していけるような環境の必要性を語った。

そしてそのためには「学校としてのスタイルであったり、志向というもののベースをいま一個ずつ積み上げていかないといけない。今度2年生が3年生になる時、あるいは1年生が上級生に絡んでゲームに出るようなこともあると思うが、そういう時のためにも浦和学院としてのサッカーの形っていうものはやっぱりいまここから積み上げて取り組まないといけない」。そういった環境での経験が、次の舞台へも繋がっていくような環境づくりを目指しているという。

「良い選手がいる時は強いけど、そういう選手が卒業したら次の年は力の差が出てしまうようではダメだし、常に県の中でも上位で争えるような土台づくり、浦和学院としてのそういうベースを築いていかないといけない。いまはそのベース作りに取り組んでいるところですね」。

もちろん一朝一夕で作り上げられるものではないが、浦和学院がこれから強豪校としての階段を上がっていくためには必要な作業だ。西武台高校に敗れインターハイ予選は2回戦敗退に終わったが、チームとしてのベース作りに取り組みつつ、冬の選手権での躍進に期待したい。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和学院 7-0 久喜北陽

2(前半)0
5(後半)0