平成30年度 埼玉県高校サッカー新人大会7位決定戦 東野 vs 坂戸西
新人大会・西部支部予選7位決定戦。坂戸西高校と東野高校の一戦は2ー0で勝利した坂戸西が関東予選出場西部7枠の最後の1枠を掴み取り、4月に行われる同大会への出場を決めた。
序盤から東野がロングボール攻勢を仕掛ける中で坂戸西はディフェンスラインを中心にここを凌ぐと、試合が動いたのは前半20分。ゴールキックから前線で長身のMF新圭介が落とすと、こぼれ球を拾ったFW石川和輝がドリブルでエリアに侵入。「ちゃんと自分の間合いに置けた」とシュートを打てる位置にコントロールし、最後は倒れこみながらゴール右隅に流し込んだ。
先制を許した東野は1年生FW久保田樹輝の抜け出しなどから同点弾を狙うが、坂戸西はキャプテンで右サイドバックの橋爪嶺が的確なカバーリングで攻撃の芽を摘み、空中戦では木村直斗、小泉輝の両センターバックが強さを発揮して跳ね返して決定機らしい決定機は作らせず。
前半アディショナルタイムにはFW田村優稀がフリーキックで狙っていく。これはクロスバーに嫌われゴールとはならなかったが、坂戸西が1点リードで試合を折り返すことに成功する。
後半も一進一退の攻防となる中、次の1点を動かしたのは坂戸西だった。23分、田村のコーナーキックがキーパーを越えると、その裏に飛び込んだ新がヘディングで無人のゴールに叩き込んで勝負を決める2点目を奪った。その後も石川が果敢にゴールを狙っていくなど最後まで攻める姿勢を見せた坂戸西が2ー0で勝利し、関東大会出場7枠の最後の1枠を掴み取った。
「楽な試合はひとつもないところだったんですけど、その中で選手たちはよく戦ってくれたのかなと思う。ゲームをやる中でいろいろと勉強をしながら、逞しくなってきたのかなと思います」と吉田誠監督は目を細めた。今予選では2回戦で慶應志木高校をPK戦の末に、3回戦では川越南高校とシード校を連続して撃破。2015年以来、4年ぶりとなる関東予選出場を決めた。
関東予選は選手にとって大きなチャレンジだ。チームは2017年の選手権予選で決勝トーナメントに進んでいるが、現1、2年生はこれが初の県の舞台。石川は「まだそういうところに出たことがないのでめっちゃ楽しみ。ワクワクしてます!」と2ヶ月後の戦いに胸を高ぶらせた。
チームの“心臓”新がヘディング弾 初の関東予選は「とりあえず1勝。まずはそこから」
「関川目指してます!」。今季から鹿島アントラーズ入りしたヘディングマスターが目標だ。
1ー0で迎えた後半23分、コーナーキックに飛び込んで1回戦の新座総合高校戦に続くヘディング弾。「あのゴールはコーナーがよかったですね」と笑ったが、「やっぱり身長があるので上の戦いでは負けたくない」と得点外の部分でも空中でファイトしてチームを勝利に導いた。川越東高校戦で華麗なフリーキックを決めた1年生の田島輝とのコンビは坂戸西の生命線だ。
笑顔の絶えないチームのムードメーカーだが、初の関東予選について聞くと表情を変え「とりあえず1勝。まずはそこから。一気にじゃなく、ひとつひとつ徐々に勝ちを積み重ねていければいいかなと思っています」と一戦必勝体制で挑んでいくことを誓った。それでも最後は「(選手権は)テレビまでいきたいですね。テレビに出て目立ちたいです」と言って再び笑った。
石黒登(取材・文)