平成30年度 埼玉県高校サッカー新人大会1回戦 山村国際 vs 川越西

平成30年度埼玉県高校サッカー新人大会の各支部予選が19日に開幕。山村国際高校は1回戦で川越西高校を6ー1で下したが、続く2回戦で川越高校に3ー3からのPK戦の末に敗れた。

山村国際はキックオフのボールからキャプテンのMF和田陽生が開始20秒でいきなりネットを揺らすと、前半6分には中盤底に落ちた和田が左サイドに展開してこれをMF長谷川聖虎が左足で流し込んで加点。24分には裏へのパスがオウンゴールを誘い、リードを3点に広げた。

さらに勢いは止まらず、37分には再び和田がループシュートを決めてこの日2点目。アディショナルタイムには1年生MF三本松孝典がフリーキックから直接沈めて5ー0で折り返した。

一方、川越西は後半3分、右コーナーキックからMF遠藤和也のアシストに、ハーフタイム明けから1列前のトップ下にポジションを移した10番のMF大松澤壮太が押し込んで1点を返す。

後半はややペースを落とした山村国際だがゲームの主導権自体は譲らず、29分にはその直前に交代した和田からキャプテンマークを引き継いだMF加藤尋斗が、三本松の浮きパスに抜け出して左足で冷静にゲット。最後まで攻め続けた山村国際が6ー1で大勝し、2回戦進出を決めた。

「細かい部分の質はこれからだけど、攻撃的なサッカーはできたのかな」と荻野賢喜監督。一方で「時間とともに集中力が欠けた時に、それを立て直す中での自浄作用というのが働いていない。「ここは締めるぞ」「頑張るぞ」と、味方を鼓舞するような気持ちがもっとグラウンドに出てこないといけない」と、「戦う」気持ちがさらに選手の中から出てくることを求めた。

「そんなに攻めが好きなら…」サイドバックから転向のMF和田が2ゴール、1アシスト

昨夏から前線にポジションを上げたMF和田陽生が2ゴール、1アシストで勝利に貢献した。

電光石火の開始20秒弾で勢いに乗ると、前半6分には今度はセンターサークル付近から相手サイドバックの裏を通す絶妙アシスト。37分にはエリア左でボールを受けると「キーパーを見たら前に出ていた。1点目もループで決めていたのでいけるのかなと思って左足のループで流し込みました」。その後もディフェンス間のギャップでうまくボールを引き出して躍動した。

昨年の新人戦は左サイドバックを務めていたが、「結構攻撃的なサイドバックで去年の新人戦も点を決めていた。シュートは心がけています」と、そのスタイルは超攻撃的。指揮官も「もうサイドアタックをすると毎回ガンガン行くので、そんなに攻めが好きならフォワードをやってみるか」とコンバートを提案すると前線で攻撃性が開花した。得点力に加えて、サイドバック時代には上下動を繰り返した豊富な運動量でファーストディフェンスでも貢献している。

今年は10番を背負い、キャプテンマークを巻く。「重みはありますけど、責任と自覚を持ってチームを引っ張っていきたい」というエースは「もっと運動量を上げて、流れが悪い時でもそれを変えるプレーを自分がしていかないといけない」と、プレーで牽引していくと誓った。

石黒登(取材・文)

試合結果

山村国際 6-1 川越西