平成30年度 関東高等学校サッカー大会 成徳深谷 vs 古河第一

関東大会が2日に開幕。Aグループの1回戦では古河第一高校(茨城)と対戦した埼玉県第1代表の成徳深谷高校が、前半先に失点する苦しい展開も、後半24分から一挙3得点を奪って3ー1で逆転勝ちを収めた。成徳深谷は翌3日の2回戦で帝京第三高校(山梨)と激突する。

初の関東本戦は波乱の幕開けだった。直前のリーグ戦でディフェンスリーダーの成澤圭梧が負傷。この日は山田宏心がスタートでセンターバックの位置に入ったが、その山田も開始早々に相手との接触で続行不可能となるなど、序盤から難しい展開を迫られる中で前半31分に陣形の一瞬の乱れを突かれて失点した。終盤にはMF藤田温杜のフリーキックが枠を捉えたが、これはキーパーに弾かれてゴールとはならず。前半は1点ビハインドで折り返すこととなった。

それでも「相手もうちを研究してきていたので、こういうゲームになることは予想していた。2失点目をしなければ、ひとつ返せばそこから引っ張れるかなと思っていた」と為谷洋介監督。ハーフタイムには「こちらが慌ててしまってはひっくり返せない。もう一回個人個人の役割をしっかりと整理して」後半に臨んだ。すると前半から最前線で身体を張った1トップの戸澤雄飛のプレーがボディーブローのように効いてきてか相手の中盤にスペースが生まれ始めると、そこを10番のFW北原港や途中出場のFW新井飛雅、FW間中実来が有効に使っていく。

徐々に圧力を強めると同点弾は後半24分。もはや得点パターンのひとつであるDF長谷玲央のロングスローからMF佐藤蒼太がニアですらして、ゴール前で弾んだボールをDF堀井皓士郎が頭で押し込んだ。「最初は俺がニアでバックヘッドをする役をやっていたんですけど、蒼太がすらして俺が中でやってみようかと話をしていてそれが一発目で成功したのでよかったです」。新人戦決勝でも決勝ゴールを決めた男が再び大舞台で値千金のゴールを決めてみせる。

指揮官の読み通りこれで一気に流れを掴むと、その10分後には藤田がフリーキックを直接沈めてついに逆転に成功した。守備でも新人戦、関東予選と存在感を増す守護神の神尾龍汰が身体を張ってゴールを死守。アディショナルタイムには左サイドの間中がカットインから右足で豪快な一発を叩き込んでダメを押し、3ー1で勝利した成徳深谷が関東ベスト4入りを決めた。

後半巻き返しての勝利に「敵は我にありじゃないですけど、結局のところ敵は自分自身。こういう状況で何もできないというのは自分自身の問題になってくる。足元を見つめて試合をできたのはよかった」と為谷監督。成澤に続き山田も負傷と台所事情は厳しいが、「代わって入る選手にとってはチャンス。こういう経験の中で逞しくなってくれれば」と奮起に期待した。

緊急出場も安定したプレーで勝利に貢献 B主将・堀口がレギュラー奪取に名乗り

センターバック2人がプレー不可となる緊急事態もDF堀口新大がしっかりその穴を埋めた。

普段はBチームで主将を務める堀口にとって初のトップ出場が回ってきたのは前半11分。「成澤も怪我していて次は自分しかいない。準備はできていました」。山田の負傷離脱によるスクランブルの状況だったが、すぐに流れに乗ると最少失点に抑えチームの初戦突破に貢献した。指揮官も「堀口が遜色なくやってくれたというのが大きい。そこで穴が空いていたら2失点、3失点していたかもしれない。あいつがフィットしてくれたのは収穫」と手応えを語った。

上背があるわけではないが、スピードと競り合いは自信がある。この日もしっかりと競った場面では負けなし。相方の堀井もただ一言「強い」と語るフィジカルは幼少期に水泳で培った。

ジュニアユース年代は清瀬市を活動拠点とするFC Consorteでプレー。同クラブでは希望者を対象にアルゼンチン遠征を行なっており、堀口もその第1回メンバーとして名門リーベル・プレートで中2の夏に1ヶ月間練習参加し、球際や強いチームの戦い方を学んだ。「どういう環境でも対応できる、崩れないで自分の仕事を全うできるメンタリティは入った時から感じていた」と為谷監督はいうが、そういった部分は南米での経験が生かされているのかもしれない。

インターハイには間に合う見込みの成澤も含めポジション争いも楽しみだが、「正直自分はまだ全然勝てていない。まずは明日しっかりと抑えて勝って、その先もポジションを奪えるようにやっていきたいです」。帝京第三を0で抑えてレギュラー奪取に名乗りを挙げる構えだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 3-1 古河第一

0(前半)1
3(後半)0

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