平成30年度 関東高等学校サッカー大会 成徳深谷 vs 帝京第三

関東高校サッカー大会2日目。この日はA、Bブロックそれぞれの準決勝が行われ、Aブロックでは成徳深谷高校がスコアレスからのPK戦の末に帝京第三高校(山梨)を下して初出場でファイナル進出を決めた。この結果決勝は地元・群馬の前橋育英高校との対戦となった。

成徳深谷は2トップの一角としてスタートに名前を連ねた竹間世和が運動量高く動きながらチャンスを演出。前半12分には竹間が右サイドを抉ってFW樋口裕也にマイナスのパスを送ると、こぼれ球をMF藤田温杜が狙っていくもシュートはゴール上に外れた。中盤以降は相手にボールを持たれる時間が増えたが、攻撃時は竹間、FW戸澤雄飛が前線で身体を張って全体を押し上げ、守備でも常に2人目、3人目としっかりとカバーリングしてチャンスは与えない。

迎えた後半15分にはFW北原港、FW新井飛雅を2枚替え。ともに打開力のある2人を投入すると19分には北原、27分には新井がカットインからシュートを放っていくが、いずれもキーパーに防がれた。32分にはスピードのあるFW間中実来を投入する中で勝負は延長戦へと入った。

延長後半は決定機の連続だった。DF長谷玲央のフリーキックに敵の背後から走り込んだMF佐藤蒼太のボレーはうまくミートせずゴール右に。さらに6分には間中が左サイドを崩して入れたマイナスのクロスに、新井がダイレクトで合わせたが敵ディフェンスに引っかかり地面を叩いて悔しがった。100分を超えても決着はつかず、勝負の行方はついにPK戦にもつれ込む。

先行・帝京第三の一本目。落ち着いてボックスに立った守護神の神尾龍汰は相手との駆け引きを制して右下に飛んでセーブ。さらに2本目は左に飛んでこれも食い止める。3本目は決められたが、仲間が全員成功して迎えた4本目を「自分で最後までぎりぎり見て飛んで」ストップ。4本中3本を止めた神尾の活躍もあり、成徳深谷が初の関東本大会で決勝進出を決めた。

大会初日には「1日でも長く」と語っていた為谷洋介監督だが、ついにチームは最終日のファイナルまで到達。「本当に良かった。警戒していた相手のダブルボランチに崩されそうなシーンもあった中で選手はよく耐えてくれた」。また帝京第三で後半から出場したDF秋山謙太、延長戦から投入された2年生FW星野佑弥は東松山ペレーニアの出身の選手。樋口やMF石川怜磨、DF石川遼とは同門ということもあり「相手も結構気合が入っていた。お互いに負けられないというところで、そういう意味でプライドをかけて戦えて良かった」と振り返った。

決勝は地元群馬の前橋育英との対戦となった。今大会にはBチームでの参戦だが、強豪であることに変わりはない。「あとはもう勢いでいくだけ」と指揮官。勝って笑顔で大会を終える。

まさに『スーパーマン』 守護神・神尾が予選に続きチームを決勝に導く

「PKはキーパーとキッカーの駆け引き」。PKに絶対の自信を持つ成徳深谷の守護神・神尾が、予選準決勝の浦和南高校戦に続き、ビッグセーブでチームをファイナル進出に導いた。

この日も1本目から仕掛けた。「キッカーに対してどっちに先に動くか、蹴る前に俺のことを見ていたらなんか揺さぶりを入れたりしていました」。「誘った」という1本目、2本目を連続してセーブすると、応援席からは『スーパーマン!』との賞賛の声が。まさにそう言いたくなるのも頷ける。蒼き血のスーパーマンはその後4本目も止めて三度ガッツポーズを掲げた。

今大会では身体を張った守備も光る。延長早々には相手のチャージを受けて苦悶の表情を浮かべたが、ボールだけは最後まで離さなかった。「あれはキーパーなのでしょうがない。そういうところでしかキーパーは助けられない。チームが勝つためなら」と強い気持ちを見せる。

新人戦、関東予選、そして本大会と日を追うごとに存在感を増す守護神だが、中学校年代で在籍したクマガヤSCでは今大会でベンチ入りしている前橋育英の梅田勇輝、そして成徳深谷でもチームメイトの小谷野泰成に続く第3ゴールキーパー。前橋育英では他にDF吉田和暉とも元僚友で「自分がクマエスの頃に出ていなかった分、成長した姿を見せたい」と意気込む。

「自分たちはもちろん0ベース。0で抑えて最後笑って終われるようにしたいです」と力強く語った神尾。準決勝で咲かせた以上の満開の笑顔を、正田醤油スタジアム群馬で咲かせたい。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 0-0 帝京第三
0(前半)0
0(後半)0
0(延長前半)0
0(延長後半)0
3(PK)1

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