第1回埼玉国際サッカーフェスティバル U-18女子 埼玉県選抜 vs タイ王国U-18

第1回埼玉国際サッカーフェスティバルが18日(土)に開幕。U-18女子のオープニングマッチでは、埼玉県選抜チームとタイ王国U-18女子代表が対戦し、後半に2点のビハインドを追いついた埼玉県選抜がPK戦の末、決勝進出を決めた。

序盤からゲームを支配したのは埼玉県選抜の方だった。「ポゼッションを重視しつつ、両サイドに速い選手がいるのでそこをうまく使うことを意識させた」と掘達也監督。「立ち上がりから強くいった」(佐々木葵主将)というチームは、前半10分に加瀬田彩華、17分に佐々木が切れ込むなど、次々とゴールに迫っていく。

しかしなかなか得点を奪えずにいると、22分、タイに前半唯一のシュートを先制点に結び付けられてしまう。埼玉県選抜は28分に佐々木がフリーキックから直接狙っていくも、これは相手GKが横っ飛びでセーブ。その後もサイドを起点に攻め込むが、「最後のところで工夫が足りず」(掘監督)1点を追う形で試合を折り返す。

まずは同点としたい埼玉県選抜は、後半開始から左サイドの佐々木、根岸里歩を中心に猛攻を仕掛けるも、15分に再び相手MFの抜け出しを許して失点。後半も20分を迎え、残り15分で2点のビハインドと苦しい展開を強いられた。

それでも気持ちを切らさずにいると、ついに待望の先制点が生まれる。得点を創出したのは途中出場の1年生・新井優紀、主将の佐々木の花咲徳栄高校コンビだ。後半24分、中盤で新井がボールを持つと、すぐさまルックアップして、前線に走り込む佐々木にスルーパスを供給。これを主将が落ち着いて決めてみせた。「自分はスルーパスが得意。先輩はいつも走ってくれる」(新井)「持ったらどんどん自分が受けにいって、少ないタッチで出させてあげるようにしている」(佐々木)と、息もぴったりな先輩後輩の連携プレーで埼玉県選抜が再び1点差とすることに成功する。

さらにここでベンチも動く。後半25分に最後の交代カードを切っていくと、それまで左サイドにいた佐々木を右サイドに配置転換。左を警戒されての策ではあったが、これが結果的に奏功した。ロスタイムの2分も消化し、ラストワンプレーを迎えようとしていた後半37分。右サイドを駆け上がった佐々木が相手DFをかわしてマイナスのクロスを入れると、ボールはこちらも花咲徳栄の大沼歩加の足元に。これを1年生MFが冷静に流し込み、勝負は土壇場でPK戦にもつれ込んだ。

PK戦ではGK武田あすみが活躍した。「緊張していた」という武田だが、ヤマを張って飛んだという1本目を見事ストップすると「このままいけるかもと自信になった」そう。3本目は相手が蹴るのを見極めてセーブ。キッカーもGKの奮闘に応えるように4人全員が決めて、埼玉県選抜がタイU-18を下した。

尚、20日(月)の決勝では、浦和レッドダイヤモンズレディースユースを4−0で下した今冬の全国選手権チャンピオン・十文字高校(東京(と対戦する。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉県選抜 2(4PK1)2 タイ王国U-18

0(前半)1
2(後半)1
0(延前)0
1(延後)0
4(PK)1