第27回全日本高校女子サッカー選手権大会1回戦 花咲徳栄 VS 鳴門渦潮

第27回全日本高校女子サッカー選手権大会は3日、兵庫県の五色台運動公園ほかで開幕。関東第4代表として1回戦に臨んだ花咲徳栄高校は鳴門渦潮高校(四国第1代表/徳島)に前半に先制されるも、後半出場のFW新井優紀が2ゴールの活躍を見せて2ー1と逆転勝利を飾った。


鳴門渦潮とは昨年も初戦で対戦。早々に2点を失うと、後半1点を返したがあと一歩及ばす苦汁を舐めさせられた。この日も前半27分にコーナーキックを直接決められて先制を許した。

1点を追う花咲徳栄は前半35分にMF川口亜海、ハーフタイムに新井、FW川田有希乃と攻撃的なカードをどんどん切っていくと、後半はシステムを3ー6ー1から4ー2ー3ー1に変更。トップの新井を起点に連続して攻撃を仕掛け、相手ディフェンスにプレッシャーをかけていく。

すると後半9分にスーパーゴールが生まれた。スローインからの展開からDF石塚七海のクロスに、守備の一瞬のズレを見逃さなかった新井が身体を捻りながらダイレクトで右足を振り抜くとキーパーは一歩も反応できず。背番号10のゴラッソで花咲徳栄がついに同点に追いつく。

その後も石塚、FW渋谷桃果の右サイドを中心に攻撃を展開。後半30分には連続してピンチを迎えたが、GK浅見桃香、DF大沼歩加が身体を張って追加点は与えず。逆に31分、川口がドリブルで持ち出し、途中出場のMF渡邉莉沙子のクロスに新井が今度は得意の頭で勝負を決めた。エースの2得点の活躍もあり花咲徳栄が2ー1で初戦を制し、昨年のリベンジを果たした。

「監督冥利に尽きる逆転勝利」と末貴光監督。前半の戦いは課題としつつ、後半チームが見せた力強さを讃えた。その上で「目標は8以上だし、日本一。最低でもメダルは取らないと、と思っている。どんどん格上になると思うが、うちらしく県や関東で自信をつけたことを前面に押し出してやっていく」とまずは2年前に果たせなかった8強進出、そしてその先を見据えた。

2回戦の相手は日本航空高校(山梨)。関東大会でも対戦し、花咲徳栄が2ー1と逆転勝ちした。主将の大沼は「先制点を取った方が優位にゲームを進めることができるし、全部がそんな逆転できるような簡単な試合ではないと思う。まだ0に抑えることができていないので、そこはしっかりと明日“0”で抑えたいと思います」と、関東以降実現できていない無失点勝利を誓った。

「決めてこそのフォワード」途中出場の新井が“全国初弾”含む2発で勝利を導く

1点ビハインドの後半、No.10がピッチに立つとチームの雰囲気が一気に変わった。

同点ゴールは後半9分。石塚の右クロスに対し、右足を鋭く振り抜く。ヒットした瞬間に「これは入るかなと思った」というシュートはキーパーの反応を許さないゴラッソだった。ザスパクサツ群馬に所属していた中2から毎年全国に出場している新井だが、全国でのゴールはこれが初。「チームを引っ張るためには点を決めることが必要だと思ったので決められて良かったです」。

自らの得点で勢いづかせると、その後もキーパーが前に出ていると見るや積極的にロングシュートを打ったかと思えば、その直後にはフワッとした浮きパスでサイドバックのチャンスを演出するなどシュートに、チャンスメイクに躍動。すると後半31分には右サイドの渡邉のクロスに今度は得意のヘディングでネットを揺らしこの日2得点目。チームの逆転勝ちに貢献した。

5年越しの全国初弾からの2発だが、「やっぱり決めてこそのFWだと思うのでここで2点取ったからいいやじゃなくて、3点、4点と、もっとたくさんゴールを決めていきたいと思います」。

秋の関東大会からは背番号10をつける。「やっぱり知らない人がパッと見た時、自分の中で一番目立つかなと思う背番号が10番なので、自分がそれを背負うことで責任感とか、やらなきゃいけないっていう気持ちになれる。背負えて良かったなと思います」。県大会まで10番をつけた大沼も「もともとは新井がつけていた番号。彼女にだったら託せる」と強い信頼感を語る。

「大会に出ている選手の中で一番点を取りたい」という花咲徳栄のエースストライカーは「メンバーに入っていない選手が13人いて、その選手に全国大会で来ただけではなく、やっぱり一緒に喜ぶっていうことを経験させてあげたかったので、その点ではまずひとつ勝てて良かったです。これからもっともっとみんなと一緒に喜びを共有して日本の頂点に立ちたいなと思っています」。仲間たちと再び喜びを分かち合うために。チームを初の8強に導くゴールを狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 2-1 鳴門渦潮
0 (前半) 1
2 (後半) 0

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