全日本高校女子サッカー選手権大会2回戦 花咲徳栄 vs 日本航空

第27回全日本高校女子サッカー選手権大会・2回戦。1回戦で劇的逆転勝利を飾った花咲徳栄高校は3−0で日本航空高校(関東第5代表/山梨)に快勝し、初のベスト8進出を決めた。


花咲徳栄は開始からトップの加藤心和らが積極的にプレスをかけて高い位置でセカンドボールを回収、サイドを起点に押し込んでペースを握る。すると試合が動いたのは前半17分。セットプレーからの混戦で相手ディフェンスがクリアしようとしたボールをMF橋本佳奈が足を出してブロックすると、こぼれ球に鋭く反応したMF川口亜海が左足で突き刺して先制に成功する。

畳み掛ける花咲徳栄は前半21分、川口のキーパーの頭上を越す絶妙なコーナーキックからファーサイドで1年生DF佐藤美莉がヘディングで決めて追加点とし、2―0で試合を折り返した。

後半は2点を追う日本航空が前に出る時間も増えたが、キャプテンの大沼歩加を中心に3バックとウイングバックを合わせた5枚が最終ラインで粘り強く戦ってエリア内には入らせない。

逆に花咲徳栄は後半20分にゴール右斜め45度の位置でフリーキックを獲得すると、キッカーの大沼は抑え目の速い球を選択。右足から放たれたキックはここしかないという軌道を描きながら、対角のポストをかすめてゴールに吸い込まれるビューティフルゴールとなった。蹴った本人も「もう二度と打てないような」と形容する完璧な一発が決まりリードを3点に広げた。

終盤は1回戦2得点のFW新井優紀、加瀬田彩華、MF渡邉莉沙子ら5選手を交代するなど、初戦同様交代枠をフルに活用しながら3−0で快勝した花咲徳栄が初の8強入りを果たした。

準々決勝の相手はインターハイ、選手権と関東予選で敗れている星槎国際高校湘南(関東第3代表/神奈川)に決まった。「次はメダルがかかる。貪欲に、少しでも可能性があるならそこを狙っていきたい」と末貴光監督。大沼は「リベンジする機会がここで作れたので、絶対に粘り強く守って、徳栄らしく勝ちたいと思います」と、最高の舞台でのリベンジを誓った。

関東大会で深めた自信を胸に1G1A! MF川口がスタメン起用に結果で応える

エース格の加瀬田が怪我明けでなかなかコンディションが上がってこない中、指揮官から試合前日に唯一スタメン出場を伝えられていた川口が1ゴール、1アシストと、結果で応えた。

「(スタメンを告げられてから)時間があったので試合に向けて良い気持ちが作れた」という3年生の技巧派は前半17分、セットプレーのこぼれ球に誰よりも早く反応すると左足で冷静に流し込んでいきなりネットを揺らす。チームにとって公式戦6戦ぶりとなる先制弾だった。

さらにその4分後には今度は武器のキックで魅せた。コーナーキックからキーパーの頭上を越してファーポスト付近に落ちるピンポイントクロスで佐藤のヘディングをアシスト。その後も交代する後半24分まで前線で縦への突破に、ゲームの作りに中心となって攻撃を牽引した。

「春のインハイも1年生にスタメンを取られたり、2年生に取られたりして、県大会もすごく悔しい想いをしたので、3年生の意地というか、そういうのを見せられたかなと思います」。

下級生の台頭もあり今季前半戦は途中出場に回ることが多かった中で悔しい想いもしてきたが、転機となったのが秋の関東予選。この大会で川口は1回戦の湘南学院戦で終了間際に起死回生の同点弾を奪ってその後の逆転に繋げると、準々決勝の日本航空戦では1−1の後半に決勝ゴールをマーク。指揮官も認めるMVP級の活躍でチームを過去最高位のベスト4に導き、本人も「関東でゴールを決められたことが大きい」と結果に大いに自信を深めた大会となった。

準々決勝の星槎国際湘南戦に向けては「だいたい星槎がやってくるサッカーはわかっている。徳栄らしく前からアグレッシブに行って、全員で強い気持ちを持って戦って勝ちにいきたい」と意気込み。その上で正確なキックや縦への仕掛けで得点に関わるプレーに期待したい。

石黒登(取材・文)

試合結果

花咲徳栄 3-0 日本航空
2 (前半) 0
1 (後半) 0

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