平成30年度 関東高校サッカー大会 埼玉県予選 浦和学院 vs 昌平
関東大会予選2回戦。前回大会覇者の昌平高校は浦和学院高校を3ー0で下し、ベスト8を決めた。エースFW森田翔が2戦連発の2発、DF関根浩平も1回戦に続きセットプレーから得意のヘディングでネットを揺らした。準々決勝では新人戦で敗れた成徳深谷高校と対戦する。
最終的な点差こそついたが、前半ペースを握ったのは浦和学院の方。序盤からハイプレッシャーを徹底して昌平に自由を与えず、セカンドボール争いも勝利するなど主導権を握る。攻めてはFW栗城来夢、FW髙橋航大の2人がフリーランニングを繰り返しながらゴールに迫った。
「前半は相手のハイテンポのプレスにそのまま受けてしまったところがあった」と関根。後半は「自分たちから仕掛ける守備」に切り替えると徐々に昌平がペースを取り戻していく。
するとスコアを動かしたのは昌平。後半20分、直前に投入されたMF古川勇輝がサイドバックを釣り出すと、空いたスペースに抜け出した森田に関根からボールが出る。「キーパーの位置も見れたのであとは流し込むだけでした」。角度のないところから右足を振り抜くとボールは逆サイドネットに突き刺さった。森田は1回戦の狭山ヶ丘高校戦に続き2試合連続ゴール。
さらに昌平は後半30分にMF原田虹輝のコーナーキックから関根が「相手がゾーンだったので勢いよく入っていった。昨日も同じような形で点は取ってイメージはできていたので、あとは叩きつけることを意識しました」と、こちらも2試合連続ヘッド弾で加点し2ー0とする。
アディショナルタイムにはDF堀江貴大のクロスに、うまく相手ディフェンスの前に入った森田がトラップでキーパーを交わすと無人のゴールに左足で流し込んで3点目。守っても関根、吉田航の両センターバックを中心に粘り強く0で抑えた昌平が3ー0で8強進出を決めた。
「ボールを持てる時間が長かったわけではない状況で選手が粘り強くやってくれたというのと、やっぱり失点0がこういう結果に繋がった」と藤島崇之監督。またこの日は相手のハイプレスに対しなかなか中盤でゲームメイクできず、決定機を作れない中で「後半は中盤を通り越して自分が起点になって攻撃を作ることを意識した」という森田の動き出しが得点に繋がった。
「あの一本のパスで森田のアクション、動き出しひとつで局面打開できたのは良かった」と指揮官。新人戦準決勝の成徳深谷高校戦では決定機で決めきれず延長戦の末に敗れたが、守備面での粘り強さ、少ないチャンスからでも得点できるようになったというのはチームの成長だ。
ベスト8では再び同ラウンドで成徳深谷と相まみえる。「ずっとベスト4は落としていなかった中(昌平が県大会で4強を逃したのは3年ぶり)で自分たちの代で落としてしまったことはショックだったんですけど、後悔よりももうやっていくしかないとみんなで決意できた。次もしっかりと勝って大会連覇に向けて、チーム全員で頑張っていきたい」とキャプテンの関根。敗戦を経験し力強さを増した昌平。勝って埼玉の覇権を取り戻すべくリベンジマッチに臨む。
2戦連続2得点でチームを勝たせる存在に 森田「少ないチャンスでも決めきる」
この日は中盤でなかなか試合を作れない中、シュート2本を両方ともゴールネットに運んだ。
1点目は古川が開けたスペースに抜け出し、2点目は堀江のパスに素早くディフェンダーの前に入り込んでのゴール。いずれも直前のアクション、動き出しの質で勝負を決めた。初戦の2ゴールに続き、これで早くも今大会4得点目。昌平のエース・森田が得点を量産している。
「去年は佐相(壱明・現大宮アルディージャ)くんっていう大きな存在がいて、チャンスがない中でも決められる存在がいた。今年はなかなかそういう存在がいないと言われていたんですけど、自分がそこに名乗り出て、少ないチャンスでも決めきるところを意識しています」。
昨年のエース佐相は関東予選で6ゴール。まずはゴール数でJ入りした先輩越えを狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和学院 0-3 昌平
0(前半)0
0(後半)3