[新人戦]武南、延長戦で聖望学園を振り切り4強!八百川→塚田の1年生ホットラインから終盤に2発
武南が大会3連覇に向け、一歩前進。11日、令和6年度埼玉県高校サッカー新人大会2回戦が行われ、武南と聖望学園が対戦。試合は延長戦の末に武南が2-0で制し、準決勝進出を決めた。
第1試合に続き、第2試合も強風が吹く中、両軍ともに試合を作るのに苦労した印象だ。武南・内野慎一郎監督も「この風の中でゲームをコントロールするのが本当に難しかったなと」と話す。
前半は互いに迫りきることができず。武南は25分、FW塚田恵斗(1年)が決定機を向かえたが、聖望学園GK市塚啓太(2年)が阻止。前半のシュートは両軍合わせこの1本のみだった。
武南は後半、右サイドでスタートしたMF関口海龍(2年)を左にシフト。すると後半は左サイドから関口が切れ味鋭い仕掛けやカットイン、連動した動きから連続してチャンスを作り出す。
29分のMF小山一絆(1年)の直接FKは聖望学園GK市塚がファインセーブ。40分には関口が仕掛けからハンドを誘いFKを獲得したが、小山のキックはわずかに枠を捉えきれなかった。
試合はスコアレスのまま80分を終え、勝負の行方は延長戦にもつれ込んだ。聖望学園は前半終了間際に退場者を出すなど、ひとり少ない展開となった中で延長戦は武南が押し込んで進める。
すると武南は延長後半6分、左SB石川敦也(1年)の縦パスを起点に、後半途中出場のMF八百川尚輝(1年)がエリア内に潜り込み、クロスから塚田が身体ごとネットに押し込むような気迫のこもったシュートでこの試合96分目にして均衡を破る先制ゴール。さらに9分には再び八百川のクロスから塚田がジャンピングボレーで合わせてダメを押し、2-0で難戦を制した。
終盤の2発はいずれも八百川→塚田の1年生ラインから生まれた。1回戦の大宮南戦でも八百川のアシストから決めていた塚田は「それぞれが持ったときは2人でこういうところに出し合おうみたいな、もともとコミュニケーションとかも取っていた。(ゴールシーンは)八百川くんを信じて、絶対に八百川くんなら来ると思っていた。八百川くんに感謝ですね」と笑顔を見せた。
この日は初戦で出色のプレーを見せたMF渡辺悠(1年)が負傷で大事を取ってベンチ外に。指揮官は「悠はやっぱりすごい選手だと思います。絶対に埼玉県で注目される選手になると思いますけど、いなくても勝てるんじゃないっていう。そこで悠も焦って、競争になると思う」「こいつがいなくなったからうちはきついですっていうことにはもう絶対にしない」と競争を求める。
この試合では関口が後半に存在感を発揮。延長戦ではサイドに移った塚田が2ゴールで勝負を決めた。また、「僕は悠ほどドリブルがキレキレではないんですけど、細かいところの基礎技術だったり、クロスの質やシュート精度を見てほしい」と話す八百川は初戦に続き、途中出場からゴールに絡み続けている。そういった中で昨年以上に競い合いながら、大会の中でも成長する。
石黒登(取材・文)
試合結果
聖望学園 0(延長)2 武南
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
0(延後)2