1年生FW田中悠真が決勝弾、注目カードは市立浦和が勝利! 浦和南は関東予選出場を逃す

令和4年度高校サッカー新人大会は28日に各支部で3回戦を行った。南部支部ではともに全国制覇経験のある市立浦和と浦和南が激突。1-0で勝利した市立浦和が注目のカードを制した。

全国優勝の数は合わせて13回(市立浦和8回、浦和南5回)を数える両校が支部の16強という早期で激突することに――。さらに負けた方はその時点で、新人戦県大会出場はおろか、関東大会予選出場権を逃すことも意味する。注目を集めたこのカードを制したのは市立浦和だった。

開始から押し込んだのは浦和南だった。前半3分にはMF濵口陽央(2年)のミドルシュートがクロスバーを強襲。FW小暮健太(2年)の追撃もバーに阻まれたが、いきなり決定機を作る。

序盤から強度の高いプレスをかけて、中盤で連続してボールを回収。攻撃ではシンプルに縦に入れて、相手サイドでゲームを進め、その後もDF橋本優吾(2年)や濵口がチャンスを迎えた。

それに対し、主将のDF金澤太路(2年)を長期離脱で欠く市立浦和は後ろ「5枚」を選択し守備を徹底。「相手は4-1-4-1だったので、しっかり5レーンを埋めて、5-3-2でしっかりコンパクトにというところは意識してやった」(大野恭平監督)。石田凜(2年)、高橋遥人(1年)、大塚獅童(1年)の3CBと、左WBの林陸斗(2年)、右WBの柳澤一郎(2年)を含めた5枚が粘り強く守備。最後のところではGK武田輝(2年)がゴールを割らせなかった。

すると後方の頑張りに前が応える。試合が動いたのは延長戦も見え始めた後半37分だった。中盤でボールを持ったFW田中悠真(1年)はFW横井葵(1年)に預け前へ。リターンに抜け出すと迷わず右足を振り抜きネットを揺らした。田中にとってこれがこの日初にして唯一のシュート。「こういう試合は想定していた。少ないチャンスを決めきるために、シュート練習をずっと行ってきた」と胸を張った。このゴールが決勝弾となり、市立浦和が注目のカードを制した。

田中、横井の1年生2トップは、大野監督も「馬力がある」と今年のチームのキーに挙げる選手。昨年から出場していた中で、この日と同じ浦和南会場で行われた選手権予選2回戦の浦和北戦では多くのシュートを浴びせながら1点を奪えず敗戦。「選手権から一緒に出ていた中で自分たちは何もできずに終わってしまった」(田中)「去年は悔しい終わり方をしてしまったので、3年生の分まで試合に勝てるように」(横井)と臨み、あの日取れなかった1点を2人で演出した。また、得点外でも前線から精力的に追いかけるなど、ディフェンス面での貢献度も大きかった。

一方、攻め込みながらもなかなか得点に繋げることができなかった浦和南は後半、10番のMF伊田朋樹(2年)、MF志田出帆(2年)を同時投入するなど、攻撃的なカードを切ってゴールを狙いに行ったが、最後までネットを揺らすことができず。関東予選出場を逃す結果となった。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和南 0-1 市立浦和
0(前半)0
0(後半)1