羽生南は目標に届かずも8強入り U-13勝ち上がった有力代、指揮官も認めた精神的な成長

羽生南は目標の優勝には届かずも8強入り。指揮官は選手たちの精神的な成長を讃えていた。

「令和4年度学校総合体育大会」3回戦。羽生南と上里の一戦は2-0で羽生南が勝利した。

羽生南は前半5分、左SHのくご井晄大(2年)の横パスを受けたMF原田侑宜(3年)が、右足のインサイドでずらしてコースを空け、左足を振り抜いてゴール右隅に流し込んで先制した。

中盤以降は相手が前に圧をかけてきた際に少しバタつくシーンもあったが、「基本的にピッチの中でコミュニケーションを取れる子たち」(稲葉直哉監督)。それもそのはず。昨年からほとんどの選手がゲームに絡んでおり、「ちょっときつそうに見えても、ある程度は自分たちでコントロール出来る。なので、なるべく細かくコーチングせずに、ちょっと名前とかで声かけするくらいで、子供たちの判断の中でやらせたいなというところはあるんですけど、その辺は1年かけていろいろなゲームを経験する中で出来るようになってきたかなとは思います」と指揮官はいう。

2回戦の東松山松山との試合は、羽生南にとって初戦だっただけになかなかうまくコントロールすることが出来ず、行ったり来たりのゲームになってしまったというが、この日は横のパスコースを作りながら自分たちで意図的にコントロールし、ゲームの流れをもう一度手繰り寄せる。

そして後半10分に追加点。浮きパスをFW小林陸翔(3年)がすらしたボールにタイミング良く抜け出した10番FW金子真大(3年)が右足で丁寧に流し込んで2点目とし、勝負を決めた。

もともと金子はボールを引き出すタイミングなど良いものは持っていたが、ゴールよりも前の部分でエネルギーを使いすぎる傾向があり、フィニッシュになかなか力をかけられなかったという。その中で松山戦に続く、2戦連続ゴール。「1、2年生の時には自分で動いて、引っかけてカウンターくらっちゃうみたいな、そういうところが多かったんですけど、プレーの仕方を変えて、ゴールに対する意識、自分だけじゃなくて、捌いてもう一度自分が出るみたいな、周りと関わりを持ちながら最後自分が仕留めるみたいな、そういう動きを増やせている」と胸を張った。

この代はU-13を勝ち抜き、県大会を決めた代(県大会は中止に)。「やっぱり来た時からうまいなと思っていましたけど、羽生西から移ってきて、ちょっと自主性とか自分たちで何かをするのが弱いなと思って見てきた。そういった中で今日のゲームなんかも含めて、少しずつそういうところが成長してきたので、それがサッカーの上達にも繋がっているかなと思う」と稲葉監督。主将のDF太田響喜(3年)も「技術面はもちろん、人間性として大きく成長した」と話した。

準々決勝で南浦和に敗れ、目標としていた県制覇には届かず涙を呑んだが、高校でも上のレベルでプレーすることを希望する金子や、「エリートプログラム女子U-13」の選出歴もあるDF松井美優(3年)など楽しみな選手も多く、この経験を糧に各々が次のステージでの躍進を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

羽生南 2-0 上里
1(前半)0
1(後半)0