第12回首都圏私立中学校チャンピオンズカップ1回戦 埼玉栄 vs 明大明治

「第12回首都圏私立中学校チャンピオンズカップ」1回戦(21~23日/埼玉スタジアム第4Gほか)。22日に初戦を迎えた埼玉栄中は明大明治中を4-1で下し、2回戦進出を決めた。

埼玉栄は前半9分、クロスのこぼれ球をFW小磯慧秦がスライドしながら左足を振り抜いてネットを揺らし先制。その2分後にはMF松本浩輝がコーナーキックを直接突き刺して加点した。14分にはDF五十嵐靖晃の高速クロスをニアで小磯が合わせて序盤で3点のリードを奪った。

後半7分に一瞬のエアーポケットのような時間を突かれて失点したが、直後の12分にMF金井裕世が自ら得たPKを決めて4点目。その後も危なげなくゲームを展開し、4-0で勝利した。

「攻守において主導権を握れた」と滝井友和監督。「トップの10番の選手(小磯)がボールを収めてくれるし、ディフェンスからのロングパスやボランチもうまく展開しながらやれていた。CB、中盤、2トップのところがしっかりできたのが良かった」とセンターラインを評価した。

新人戦Vの下の代も注目されるが、この3年生の代も一昨年の同大会でベスト4入りするなど力を持っている世代。力を蓄え、いざ県制覇を狙った学総が新型コロナの影響で中止となり一時はモチベーションの低下もあったというが、この最後の首都圏大会に向けて気持ちを切り替えてここまでやってきた。チームが狙うのはもちろん、2013年以来7年ぶりとなる大会制覇だ。

10番FW小磯慧秦が2ゴール。「質」にこだわって練習してきた1年の成長の証見せる

埼玉栄は10番FW小磯慧秦が2ゴール。また前でしっかりとボールの収まりどころとなってチームの攻撃を引き出した。本人は「まだまだ決められる場面もあった。決める場面をもう一個決めきってできたかなと思います」と反省も口にしていたが、前線で出色の出来を見せた。

一昨年の新人戦では「積極的に打つのは心がけていて1、2本だけじゃなくいっぱい打てばいつかは入るみたいなそういう心でやっています」と大きなスケールで勝負していたストライカーはこの1年ひとつひとつのプレーの「質」にこだわって練習。「抜け出しと収めるプレーとフィニッシュの質。1本1本の質を上げていこうというのを1年間意識してやってきました」。

それが結実したのが自身の2発目だ。五十嵐が左サイドでボールを持つと、「あの時最初ファーから入ったんですけど、相手のCBを2枚くらいオフ・ザ・ボールで剥がしてそこからのニアへの入りだったので、良いボールも来たし、自分の入りも良かったかなと思います」。グラウンダーのクロスを点で合わせた形に「あれこそもう練習の成果です」と胸を張った。

石黒登(取材・文)

試合結果

埼玉栄中 4-1 明大明治中
3(前半)0
1(後半)1