支部リーグから再出発の古豪・浦和西「這い上がっていく」1年での県リーグ復帰&トーナメントでの上位進出目指す
令和5年度高校サッカー新人大会・南部支部の3回戦が20日に行われ、浦和西と南稜の一戦は4-1で浦和西が勝利し、ベスト8進出を決めた。27日の準々決勝では埼玉栄と対戦する。
今季同じリーグで戦うライバルに力を見せつけた。浦和西は自慢の運動量を生かして前線から守備をかけて相手コートでプレー。そこからのアクションの多さで相手守備網を崩しにかかる。
すると前半16分、MF坂田陸(2年)が右コーナーキックを直接沈めて先制。その後も1年生10番のFW加藤徠がドリブルシュートでゴールに迫る。26分には縦パスに抜け出したFW井上裕斗(2年)が冷静に相手キーパーを交わし、右足で無人のゴールに流し込んで2-0とした。
南稜は28分、昨年からの主力であるFW津田諒太(2年)主将が自慢の快速を生かして裏を取り、ペナルティキックを獲得。これを自ら決めて1点を返すが、浦和西は32分、左SB末岡碧人(2年)のクロス性のシュートがキーパーの上を越しゴールに吸い込まれ、再度引き離した。
後半も浦和西ペースで試合は進み、7分には前半途中から本職の右SBにポジションを移したDF河合慶悟(2年)のクロスからMF宇井琉翔(2年)がボレーで奪い、4-1で快勝した。
試合を通じて押し込んだが、新チームから指揮を執る多田鉄平監督は「押し込めてはいたんですけど、やっぱりシュート数が少なかったりとか、あとはゴールに向かう意識がもうちょっと高くないとレベルが上がってきた時に太刀打ちできない」。前半は9本のシュートを放ったものの、後半は4本に減少。選手たちも「もっとゴールに迫れると思う」(井上)、「決めきれる部分で決めきれなかった」(加藤)というように上で勝負するために最後の部分をもう一度突き詰める。
1956年に全国高校サッカー選手権で優勝、元日本代表監督の西野朗氏などを輩出した古豪は、昨年S2B(県2部)リーグ9位で降格。今季はSS1リーグ(南部支部1部)から再出発となる。
井上は「リーグ戦もそうですし、トーナメントでも結果を残していかないといけない」「支部っていう目線で見られているかもしれないですけど、自分たちは可能性があると思っているので、どんどん上に這い上がっていきたい」とし、今予選も「もちろん優勝を目指していますし、SS1でもこれだけやれるんだぞというところを見せたい」。加藤は「前みたいに強い浦和西に戻していけるように、(県大会でも)ベスト8以上を狙っていけるようにしたい」と意気込みを語った。
1年での県リーグ復帰はもちろん、トーナメントでも存在感を発揮し『強い浦和西』を取り戻す。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和西 4-1 南稜
3(前半)1
1(後半)0