大宮V U15は関東昇格ならず… 「練習が一番レベルが高いところに」、自分たちに照準を当てながら成長を目指す

第7回JFA U-15女子サッカーリーグ2024関東2部参入戦が14日に行われ、大宮アルディージャVENTUS U15は0-1でVONDS市原FCレディースU-15に敗れ、昇格ならなかった。

大宮V U-15は立ち上がり、突破力のある右SHの宮下詩(2年)やトップ下の三浦葵(2年)が連続して相手ゴールに迫るシーンを作ったが、最後の部分で決めきることができなかった。

すると徐々にVONDSのパワフルなプレーに押し返される時間が増えていった中で前半18分、守備のズレを突かれ失点。1点を追う大宮V U-15は右サイドを起点とした攻撃や三浦が積極的にシュートを狙っていく。しかし前半終了間際のチャンスは相手GKの攻守に阻まれてしまう。

三浦は後半頭にも縦パスに抜け出したが、決めきることができず。後半はゲームの緊張感や流れにも慣れてきた中でボールを持ってプレーしたが、「もうちょっとフリーマンもいたので落ち着いてできればなと思うんですけど、そうならないのがこういう緊張感のある試合。フィニッシャーもちょっとはっきりしなかった」(渡辺千尋監督)。同点ゴールを奪うことができず、敗れた。

前年度は高円宮妃杯で全国3位という結果を残したが、チームとしてさらに高いレベルで成長していくために関東リーグ昇格をトップターゲットとしていただけに試合後は悔しさが滲んだ。

「今年上がって、新しい緊張感のある試合でっていう環境をまず手に入れたいと思っていたんですけど、またそこの環境づくりから始めないといけない。埼玉県のほかのお隣さんたちが良いところにいて、また経験もそこでしていると思いますし、早く追いついていかなきゃいけない」

昨年は埼玉から三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース、INAC白岡SCレディース(ともに1部)、ちふれASエルフェン埼玉マリU-15(2部)と3チームが関東リーグに参加。また、昨年は県リーグでなかなかビハインドを背負うことがなかった中で、この日のように思い通りにいかない展開で違う選択肢を持つためには上のリーグで揉まれることが必要になってくる。

「いろいろ乗り越えなきゃいけない壁が年々多くなっているなと思いながらも、それを越えていかないとあの子たちもプロにはなれない。自由さみたいなものは奪いたくないですけど、自分たちでお尻を叩ける選手になってほしいですし、私自身にも変化が必要なのかなと思います」

嘆いてばかりはいられない。DF清水夕菜(2年)主将は「関東リーグで戦っているチームよりそういうところ(の経験値)で劣ってしまうので、練習から自分たちがレベルを高めて、練習が一番レベルの高いところにっていうのをずっとやってきたのでもっとそこを詰めていきたい」、エース格として期待される三浦は「チームの最終目標は全国制覇。そこに向けてこれから今回の課題を意識してやっていきたい。ゴール前のプレーが攻守ともにまだ弱いので、そこをちゃんとみんなで話し合ってやっていきたい」というように自分たちに照準を当てながら成長を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

大宮アルディージャVENTUS U15 0-1 VONDS市原FCレディースU-15
0(前半)1
0(後半)0