公立の雄・南稜が3大会連続の3位で有終の美 「1回あるかないか」本庄第一を劇的弾で下す
令和5年度高校女子サッカー選手権大会の3位決定戦が24日に埼玉スタジアム第3グラウンドで行われ、南稜が終了間際に途中出場の10番MF四潟心絆(3年)が決勝ゴールを挙げて1-0で本庄第一を下した。両校は10月に行われる「関東高校女子サッカー秋季大会」に出場する。
「ホンイチが相手ということでモチベーションも高かった。いままでの南稜の歴史を見ても、ホンイチに勝つというのは1回あるかないか。そこで勝てたのはすごく大きい」と小椋大監督。公立の雄・南稜が本庄第一を下し、新人大会、学校総体に続く、3位で県の有終の美を飾った。
南稜は丁寧に繋ぎながら壁パスなどを用いて攻め込むが、本庄第一は押し込まれる時間が多い中でも内田ひなた(3年)、鶴岡柚徠(1年)のCBコンビ、左SB齊藤奏帆(3年)、右SB石坂優李(3年)主将が力強く跳ね返し、MF小池樹里(2年)の展開からカウンターを狙う。
「やっぱりホンイチがパワフルに跳ね返してきて、攻めては攻め返されるみたいな展開で、ちょっと運動量的にしんどい部分もありましたけど、前半ボールを持ったのが生きた」(小椋監督)
南稜は「自分たちが取るのに100%を使っちゃうと攻撃で落ちちゃうので落ち着かせることを意識した」と話す中野唯愛(3年)主将を中心に、堀夢花(3年)、高木莉乃(2年)、稲見杏(2年)の4バックがしっかりとボールを動かして、相手の体力を削ったことが後の展開に生きた。
また、前線ではもつれた時の“切り札”として、この日はベンチスタートとなったMF関口愛果(2年)や四潟が次々とピッチへ。さらに後半はMF小澤楓咲(3年)の1アンカーの形にすると、四潟や関口が相手ボランチの脇のスペースを使い、徐々にゴールに迫る回数を増やしていく。
すると終了間際の42分だ。相手のビルドアップに対し前線から連動してプレスをかけてボールを奪うとMF池上優香(2年)の折り返しを四潟が右足ダイレクトで放つ。ロビングのような軌道で放たれたシュートはキーパーの伸ばした手を越えて逆サイドネットに突き刺さるゴラッソ。南稜として初優勝を決めた2年前の総体、今年の総体3位決定戦でも終盤に決勝ゴールを奪うなど「主要な大会のところでは必ず点を取る」と指揮官も信頼するエースは「ゴールを決めることしか考えていなかった。みんなが繋いでくれたボールを決めることができて嬉しい」と仲間たちに感謝した。これが決勝点となり、南稜が3大会連続の3位で今年の県大会を締めくくった。
石黒登(取材・文)
試合結果
本庄第一 0-1 南稜
0(前半)0
0(後半)1