対応力見せた本庄第一が4強入り!「絶対にリベンジを」新人戦で敗れた松山女子を倒す

令和5年度高校女子サッカー選手権大会の準々決勝が10日に東松山市岩鼻サッカー場ほかで行われ、本庄第一と松山女子が対戦。本庄第一が1-0で勝利して、ベスト4にコマを進めた。

ピッチの中で対応力を見せた本庄第一が注目対決を制した。本庄第一はこの1週間、松山女子のビルドアップのパターンを研究。一方で「ずっと言っていたのが、こういう準備はするけど、こうやってこない可能性も高い。この準備に固執するなよとは言っていた」と河合拓郎監督は話す。

松山女子は3回戦の宮代戦から何枚か前戦の配置を入れ替え。試合の中でもポジションチェンジを繰り返していた中でMF小池樹里(2年)は「自分はボランチで、相手が3枚だと最初思っていたんです。その中で最初2枚でスタートして、途中相手が3枚に変えてきて、そういうところを自分が一番早く気づくようにして、周りにどんどん言って行くことを意識しました」というように、ピッチ内で声を掛け合いながら共通意識を持って相手を嵌め込み、リズムを握った。

その中で早い時間帯の先制点も大きかった。前半3分、小池がフリーキックでゴール前に入れていくとキーパーの取りこぼしを見逃さず、10番のFW常見梨乃(3年)が反転から突き刺した。

その後は追加点は生まれなかったものの、「良い形は出ていた」(川合監督)。常見を起点にコンビを組むFW玉置夢華(1年)、スピードのある右SHの和智幸来(1年)、左SHの駒谷花音(1年)が押し上げながら左右中と使い分けながら攻撃。「確たる形というのはあまりないんですけど、今年はちょっとバタつきながらでもその場その場でやっていっちゃった方がいいのかなと。その上で狙えるときは必ずゴールを狙ってシュートで終わる。ちょっと無理なシュートとかもあったんですけど、それはある意味狙い通り。そうやってリズムを作っていく方が今年は合っていると思う」。少ない枚数でもフィニッシュまで打ち切るなど、最後まで攻めきり勝利した。

2月の新人戦ではマネージャーも含めて9人での出場と苦しいチーム事情もあった中、ベスト8で負けたのが松山女子だった。常見は「やっぱり新人戦で負けていたので、全員が絶対にリベンジを果たそうという気持ちでいた。勝って、次に繋げることしか考えていなかった」と明かす。準決勝の相手は学校総体で敗れた花咲徳栄。「またリベンジを果たせるようにしたい」と誓った。

一方、松山女子はFW内藤梨乃(3年)主将のキーパー起用を準備していたが、不発に終わった。選手権に向けたビルドアップの秘策として準備し、この夏は大阪桐蔭や大手門といった強豪相手にも手応えを掴むなど、自信を持っていた形だったが、前線に体調不良者が出たことで実現しなかった。その中でもチームの核であるMF大山望愛(3年)がこの日もさまざまなポジションを務め、内藤や宮代戦4得点のMF武田萌生(3年)がゴールに迫ったが、1点が遠かった。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 1-0 松山女子
1(前半)0
0(後半)0