本太中は後半に上げて快勝発進! 次は新人準V新座二中戦、強敵撃破で「谷間の世代」返上を

中体連の熱き夏が開幕。令和5年度学校総合体育大会県大会が15日に開幕し、5度の優勝を誇るさいたま本太中は栗橋東・栗橋西・久喜中の合同チームに6-0と快勝し、2回戦に進出した。

本太は前半21分、エリア左外でボールを収めたFW渡邉耀大(3年)が鋭く前を向くと果敢にエリア内に切り込み、PKを誘発。これを10番のMF古谷倫(3年)が冷静に沈めて先行した。

さらに前半終了間際の30分、追加点を挙げたのは先制のきっかけを作った渡邉だ。「チームとして球際とか運動量とか、そこら辺を意識しているので、そこは泥臭く行こうと毎回思っている」。スローインからの展開で敵味方が競り合い、こぼれたボールは一度は相手DFに収まったが、渡邉が諦めずに追いかけて後ろから奪取。最後はGKを見ながら冷静に流し込んでみせた。

「初戦の緊張や暑さもあって、少し選手たちもうまくいかないところがあって、前半はちょっとイライラしている様子もあった。引水、後半のところで少し落ち着いてやろうと話をして、だいぶ後半に持ち直して、落ち着いてできるようになったかなと思います」(本太・田中秀幸監督)

後半は攻撃面では動きながらのプレーを意識しつつ、「前半はパスとか逃げのプレーが多くなっちゃったんですけど、後半はドリブルで自分の良さを生かすことができた」という古谷が積極的な仕掛けも見せる中でペースアップ。渡邉、古谷が2点目を決めたほかにFW浅見駿介(2年)、FW荒澤賢斗(2年)にもゴールが生まれるなど、さらに4ゴールを加え、6-0で快勝した。

本太はひとつ上の代が8強入り。また、浅見、荒澤ら、この日も4人の2年生がスタメンになるなど、下からの突き上げもあり、現在の3年生たちは「谷間の世代」と呼ばれることも。それでも「今年は去年と比べたら弱いかもしれないですけど、みんな仲が良いし、とにかく「サッカーが好き」」(GK大平悠晴主将)というチームは、サッカーと向き合いながら市予選では第9代表決定戦で与野西を下してラスト1枠に滑り込むなど、何かをやりきるという喜びも感じつつある。

2回戦は新人戦準優勝の新座第二中が相手。逆に言えばここを倒せばこの「狭間の世代」というレッテルも剥がせるはずだ。渡邉は「やっぱり谷間と言われるのはそんなに気持ちの良いものではないので、これに勝って証明したい」とし、守備の要であるCB三井貫永(3年)は「緊張もあると思うんですけど、頑張って抑えたい」と意気込み。強敵撃破で自分たちの力を証明する。

石黒登(取材・文)

試合結果

さいたま本太 6-0 栗橋東・栗橋西・久喜
2(前半)0
4(後半)0