さいたま市学校総合体育大会 白幡中 vs 三室中

さいたま市学校総合体育大会最終日。7日は浦和駒場スタジアム他にて決勝、順位決定戦が行われた。3位決定戦では白幡中学校と三室中学校が対戦。三室が先行するも前半終了間際に同点とした白幡が、後半アディショナルタイムに逆転弾を突き刺し2ー1で3位となった。

開始から圧力をかけていったのは白幡だったが、先にゲームを動かしたのは三室だった。前半5分、一瞬の隙をついたMF杉沢春墓が右サイドを突破して中央へグラウンダーのクロス。このボールをMF沼口颯恭がヒールで落とすと、MF西尾湧大がエリア内でつぶされてPKを獲得する。これを10番のMF松本拓也が落ち着いて決めて三室が先制に成功した。

追いかける展開となった白幡は連続して攻撃を展開していくものの、三室も素早い寄せで対応し自由にはさせない。さらに給水タイム明けには白幡にアクシデント。攻撃の起点となっていた10番でキャプテンのMF本木彩斗が倒れた際に肘を負傷して続行不能に。急遽、トップ下が本職だというMF牧村隆広が本木の代わりにボランチとして送り出される。

主将離脱に加えて、攻めながらも得点が生まれない嫌な流れに陥りかけるが、前半終了間際の一発で漂う雰囲気を吹き飛ばした。同点弾はアディショナルタイムを迎えた31分。FW山倉雄暉が起点となってFW青木駿太と細かいパスを交換すると、右サイドで受けたFW千田真也が中央へクロスを送り、これを山倉がダイレクトで合わせて試合を振り出しに戻した。

実は小学校時代からの同級生だという千田と山倉。クロスはなかなかのスピードボールだったが、「あれぐらいは慣れているので」と山倉。千田も「練習からやっていた形」と振り返った。息もぴったりな同小コンビの活躍もあり、1ー1のタイでハーフタイムを迎えた。

後半はボールを保持しながら攻める白幡に対し、三室が機を見てカウンターを打っていく展開に。お互いに疲れも出てくる中で最後は気持ちと気持ちのぶつかり合いとなった。

そんな中で白幡が後半30分に決勝弾。決めたのは本木からキャプテンマークを引き継いだDF田畑直緒人だ。「もう体力がなくて辛かったが、最後上がって点を決めようと気持ちで上がった」と3年生DF。準備時間もない中でボランチとしての仕事を完遂した牧村から「狙っていた通りの形」というアーリークロスが入ると、これを田畑がヘディングで押し込んだ。

この1点が決勝点になり、白幡が2ー1の逆転で三室を下した。「大会を通じて選手たちの勝ちたいという気持ちがだんだん強くなってきたように思う。特に今日の試合は一番強く、強さを感じた」と白幡・井関篤志監督。最後はその「勝ちたい気持ち」が劇的逆転弾を生んだ。

激戦のさいたま市を3位で勝ち上がり、次はいよいよ県大会が始まる。「新人戦ではベスト16で負けてしまったので、ベスト4、関東大会まで狙っていけるように頑張っていきたいと思います」と田畑。白幡らしい「一致団結」のサッカーで県でも上位進出を狙う。

石黒登(取材・文)

試合結果

白幡中学校 2-1 三室中学校

1(前半)1
1(後半)0