総体予選覇者・本庄第一は隙見せず4強進出! 攻守でレベルアップし、再びあの舞台へ

令和4年度高校女子サッカー選手権大会・準々決勝が11日に行われ、総体予選覇者の本庄第一は5-0で入間向陽を下した。19日の準決勝では7年ぶりに4強に進んだ川口市立と対戦する。

「よく1対1になったり、シュートを打つとなったら、これまでは周りの子が止まっちゃっていたんです。キーパーが弾くかもしれないし、DFに当たってこぼれるかもしれないし、もしかしたら横に逸れてきたのが自分の目の前に来るかもしれない。そういうのを常に考えて、シュートを打つ人じゃない、周りの子たちが得点を狙いに行けというのは言っていた」(川合拓郎監督)

立ち上がりの2点はチームとしてこだわってきた、その“詰め切る”意識が生んだゴールだった。

開始から押し込むと前半12分、ボランチの松野尾沙斗(3年)がミドルレンジから思い切って右足を振り抜く。これは惜しくもクロスバーに弾かれたが、こぼれ球をMF小池樹里(1年)がヘディングで押し込んで先制点。さらに25分にはMF眞島紗衣(3年)のシュートをキーパーが捕球しきれなかったところをFW常見梨乃(3年)が見逃さずに詰めて、リードを広げた。

28分には大胆にサイドを変えると、右SBの野崎梨央(3年)がこれをダイレクトで中へ。ファーサイドに回り込んだ小池が滑り込みながら合わせてこの日2点目とし、3-0で折り返す。

後半も相手コートで進め、引水前の19分には野崎が右サイドを駆け上がり、マイナスのクロスからMF丹治希ノ花(3年)が狙ったシュートがハンドを誘いPKに。これを眞島が決めて4点目。さらに23分には眞島が右CKを直接ネットに突き刺して5-0とし、4強進出を決めた。

入間向陽は5バックで守り、県リーグ得点王のFW浅香果穂(3年)の裏抜けからゴールに迫りたかったが、中盤で捕まる場面も多く、シュートはMF市川心晴(1年)の1本に終わった。

総体予選では守備的な形がハマり、6年ぶりの大会制覇を果たしたが、関東大会は鹿島学園に敗退。「セットプレー一発とカウンターから個人技で行かれてしまった。やっぱりレベルが上がったらそういうプレーが出来る子もいるわけで、それをちゃんと守り切れなきゃいけない」。また「逆にこっちがそういう得点をできるようにならなきゃいけない」と攻撃にもフォーカス。これまではわりとサイドに偏ることが多かったが、中央から崩しの形も増加した。隙をなくし、詰め切る意識もその中のひとつ。すべてはもう一度あの舞台に挑戦し、勝利するためのステップだ。

そのためにもまずは目の前の一戦一戦を見据える。川合監督は「周りも選手権は、という気持ちを持ったチームが多いと思うのでそこに負けないように。ただあまり構えず、あくまでチャレンジャーだと思うので、自分たちがやるべきことをしっかりやって勝てれば」と気を引き締めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

本庄第一 5-0 入間向陽
3(前半)0
2(後半)0