後半に6発、川口市立が8強入り! 7年ぶりの関東大会出場へ、仲間たちの想いも背負い臨む

令和4年度高校女子サッカー選手権大会・ラウンド16(4日)。川口市立と正智深谷の一戦は、川口市立が6-0で勝利し8強入りを決めた。準々決勝では総体予選4強の浦和西と対戦する。

川口市立は立ち上がりから田中南帆、武井千優の1年生ボランチコンビを起点にパスを繋ぎ、FW飴谷万葉(3年)の動き出しやMF小磯遥香(1年)、MFエドワード怜菜(2年)の両翼が仕掛ける形で相手ゴールへ。10番MF林このか(3年)も積極的にシュートを放っていった。

一方、正智深谷も押し込まれながらもCB茂木陽和(3年)を中心に集中した守備を見せる。危険な場面ではDF青島寿陽(2年)やDF小林茉愛(2年)らが足を出してシュートをブロック。攻撃では10番FW大河原叶愛(2年)が収め、そこからの攻撃から何度かゴール前に迫った。

川口市立は前半14本のシュートをゴールに結びつけることが出来なかったが、それでも好感触を持って後半に臨むと2分、相手のミスを見逃さず、エース・飴谷が決めて先制。これで勢いに乗ると、4分にはエドワードの右クロスから小磯がヘディングで叩き込み、一気に突き放す。

その後も点を取るために前がかりになった正智深谷の裏を取りながらエドワードが2ゴール、飴谷が1ゴールを記録。終了間際には田中が右足のコントロールシュートを突き刺して6-0としてゴールショーを締めくくり、5月の学校総体予選に続く、県ベスト8入りを果たした。

金沢学監督は「どっちに先に1点が入ったか、そこが分かれ目だったんじゃないかと思う。相手に先に決められていたらこういう展開にはならなかった」とし、先制点を試合のキーに挙げた。

飴谷、林、エドワードらアタッカー陣に加え、最終ラインもキャプテンの廣井李紅(3年)や古澤花乃(3年)と、昨年からレギュラーを務める選手が要所を固める。また今年は、昨年9月に完成した県内有数の人口芝グラウンドに惹かれて、国体関東ブロック予選にも出場した小磯ら有力1年生たちも入学。指揮官もこの夏を越えて「ようやく形になった」と手ごたえを語る。

前身の川口総合時代には関東大会の常連だったチームだが、最後に関東に出場したのは2015年で、学校の工事が開始し外部のグラウンドで練習するようになった2016年以降は遠ざかっている。川口総合時代から11年目になる金沢監督も「チャンスですので頑張りたい」と意気込む。

チームの明暗を握る飴谷は「3年生が18人いたんですけど、春の大会で8人辞めてしまって、いまは10人。その10人は夏休みずっと一緒に過ごしてきて、結構仲良くなったし、みんなで絶対に関東に行きたいねと話してきた。出ているメンバー、出ていないメンバー関係なく、全員で関東に行けたらいいなと思います」と仲間たちの想いも背負って7年ぶりの関東出場に挑む。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 6-0 正智深谷
0(前半)0
6(後半)0