参入戦の経験が財産に、白岡SCLが4年ぶりの新人戦制覇! 期待の学年は関東リーグで揉まれ全国での躍進を目指す

「第9回埼玉県女子ユース(U-14)サッカー新人戦大会」決勝が2月13日に行われ、白岡SCL U-14が1-0でちふれASエルフェン埼玉マリU-15を下し、4年ぶりとなる優勝を飾った。

立ち上がりは一進一退の中で、白岡はMF吉田夏葵やMF小島爽が起点に攻撃を展開していく。

すると前半19分、吉田が絶妙なコントロールでDFを外しラストパス。これに抜け出したMF吉澤菜奈乃がGKとの1対1を冷静に左足で流し込んで先制した。また、後半開始直後にも吉田の縦パスから決定機。MF田口結奈の右足のシュートは惜しくも枠外だったが、追加点に迫った。

一方、ちふれも昨年ひとつ上の代で全国を経験したMF前田夏海が中盤で相手の縦パスを警戒しながら最小点差でゲームを進行。後半は中盤に落ちたキャプテンのFW廣川果歩の配球からチームスタイルであるサイドを生かしたアタックで、敵陣に攻勢を仕掛けるシーンもあった。

それでも「守備の人たちも、攻撃の人たちも、全員で守るというところが自分たちの強さ」と小島が語ったように、白岡はしっかりと連携しながら相手を追い込んでいくなど最後まで集中した守りで決定的なシーンは作らせず。“0”で凌ぎきり、2018年大会以来となる優勝を飾った。

きわどい勝負を勝ち切れた要因として小島哲広監督は「関東リーグ参入戦の経験値が大きかった」と話す。今年1月に行われた参入戦で白岡は1回戦で湘南ベルマーレを2-0で下すと、準決勝、決勝はいずれも1点差(○2-1CANA CRAVO、○1-0小美玉フットボールアカデミー)とタフなゲームを勝ち進み、現高2の2019年以来となる関東リーグ昇格を決めていた。

昨年末に負った怪我で参入戦、そして今大会はベンチから見守ったMF野片葵生主将は大事な試合を重ねる中で「チームがひとつになっていく」感触を感じていたという。また、副将の小島は精神的にも強くなれたと語る。そういった経験のすべてが、この日のタイトルに繋がった。

17期生は白岡として初めてセレクションを行った代でもあり、小島監督も「個々の能力がしっかりしている子が多くて、期待出来る代。かなり粒ぞろいで、楽しみにしています」と期待する。

「一番の目標は全国制覇すること。そのために何が出来るか、長期、中期、短期目標というのを立てていてそれをクリアしていくことで、強いチームに繋がるんじゃないかと思います」(野片)

まずは短期目標である「関東リーグ昇格」「新人戦制覇」をクリア。今後は自分たちで掴み取った関東リーグの舞台で強豪たちに揉まれながらレベルアップを重ねて、全国での躍進を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

白岡SCL U-14 1-0 ちふれ
1(前半)0
0(後半)0