上尾朝日が3年ぶり3度目のV! アスミとの9年間で個を育てる/少年団中央大会・決勝

「第50回埼玉県サッカー少年団中央大会」の決勝が6日に行われ、上尾朝日FCが4-0で江南南(A)を下し、今年度4種最後のタイトルを掲げた。上尾朝日の優勝は3年ぶり3度目。

相手は14度の大会制覇を誇る埼玉の雄・江南南。だが、上尾朝日としてやることは変わらない。

「自分たちをしっかり表現しようというところで、ボールを大事にしながら個人の特徴が出るように、というところをすごく大事にしているので、個人の特長を生かして、自分たちのやりたいことを先手でしっかり出来るようにというところで話はしていました」(佐藤孝浩監督)

その言葉通り、序盤から上尾朝日が個の特徴を存分に発揮していく。前半8分、前線でボールを奪い、石川匠(6年)のクロスを西川雄大(6年)が決めて先制。14分にはエリア左でボールを持った佐々木琉生(6年)が前に出るキーパーを冷静に見極めながら流し込んで追加点とする。

また、後半にはエース石川が2ゴール。「やっぱりゴールに向かっていく姿勢と、チームを鼓舞して、背中で引っ張っていける、そういう選手だと思っています」と監督も信頼を置くキャプテンは11人制で行われた今大会はFWで出場。後半5分、後ろからのフィードに抜け出し2度深く切り返して右足で決めると、その1分後には小川航輝(6年)のアシストから最後はキーパーを外して無人のゴールに流し込み、午前中に行われた準決勝に続くドッピエッタを達成した。

また、守備でもしっかりとインターセプトを狙いつつ、前で戦うというところを徹底。GK武田悠暉(6年)に加え、最後方でスイーパー的に構える遠藤浩太(6年)の存在も大きかった。

相手の狙いを持った守備に、なかなかフィニッシュまで持っていくことが出来なかった江南南は後半9分、10番の村知空翔(6年)がドリブルで仕掛け、ラストパスに準決勝では同点ゴールを決めていた髙沢空冬(6年)が狙ったが、武田にセーブされてゴールとはならなかった。

上尾朝日は今年度、「全日本少年サッカー大会予選」「4種リーグ選手権」といずれもその後優勝を飾るチームに対し、接戦を演じながら準決勝で敗退と、ベスト4がひとつ壁になっていた。

「やっぱりそこのベスト4を乗り越えて、ファイナリストに進むというところで、また得られるものもある。今日も2試合というところではなく、まず1試合目のベスト4の壁を破ろうというところからスタートして、その次に決勝というところがあった」と佐藤監督。準決勝の東松山ペレーニア戦を3-0で制して壁を破り、決勝でも自分たちのサッカーを表現して優勝を飾った。

大切にしているのは個の部分。そこは系列のACアスミを含めた9年間でみっちり鍛え上げる。

「個人を重視していて、個人の技術と判断というところを大事に、ピッチの中で自立した選手になるということを目標にやっている。夏以降にチームとしてどうかという部分で少しグループのことはやりますけど、基本的にはもう個人の力を上げようというふうに考えています」(監督)

昨年は上尾朝日、アスミのOBで「(当時から)技術力はすごく長けていた」というMF荒井駿希(法政大進学予定)が静岡学園のトップ下で高いスキルを見せていた。大会前には選手権を戦った荒井が練習参加。選手たちも高校トップレベルを肌で体感出来たこともきっかけになった。

今年もほとんどの選手がアスミに進む。「小学生で培ったものを中学生に繋げていってさらに飛躍して羽ばたいていってほしい。結果として優勝で終えたことはすごく素晴らしい成長の証だと思うんですけど、ここがまた中学生年代に向けてのスタート地点なので、また個人を伸ばして次のステージでさらに飛躍出来るように頑張ってほしい」と指揮官は6年生にエールを送る。

石黒登(取材・文)

試合結果

上尾朝日FC 4-0 江南南
2(前半)0
2(後半)0