浦和レッズJrが4種リーグ初制覇!「勝負弱かった」チームは成長見せて最後にタイトル
「第15回埼玉県第4種サッカーリーグ選手権大会」の最終日が12日に行われ、決勝は浦和レッズジュニアとFCアビリスタが対戦。浦和レッズが1-0で勝利して、大会初優勝を飾った。
「もうあの経験をここの公式戦で生かすしかない。だからそこだけは、あの敗戦を未来に繋げようというふうには伝えて、それを今回表現してくれたかなと思います」と浦和レッズ・金生谷仁監督。全日本U-12選手権の経験をしっかりと生かし、今年の4種年代最後のタイトルに繋げた。
「基本的にボールの保持率というか、蹴る回数も減らしていこうというのをずっと言っていた」(監督)という浦和は、後ろから丁寧に組み立てながら攻撃。前半10分に和田武士(6年)が決定機を迎えるなど押し込んだが、相手の整理された守備もあり得点することが出来なかった。
アビリスタは粘り強く守り、最後の局面ではGK野口蒼司(6年)が立ちはだかる。また、数は少ないものの、前半15分過ぎには萩原拓真(6年)、大野琥仁郎(6年)とゴール前に迫った。
後半はさらに浦和が攻勢を強める。途中出場の柳澤翼(6年)が切れ味鋭い突破で何度も左サイドを抉ってチャンスメイク。5分には柳澤の縦パスに抜け出した井原桜太(6年)がキーパーと1対1に。股抜きを狙ったシュートは力が弱く、カバーに入った菅野遼太(6年)がクリアした。
攻め込みながらもなかなか得点出来なかった浦和だが、後半12分についにスコアを動かす。柳澤の左CKにファーサイドに走り込んだ岩﨑篤斗(6年)がヘディングでネットを揺らした。岩﨑は今年のチームを牽引したキャプテン。「チームのことを思えて、チームのために働き続けた男」と指揮官も絶賛する主将のゴールが決勝点となり、浦和が3度目の決勝で初制覇を果たした。
先の全日本U-12選手権では決勝でレジスタFCと対戦した中で相手のパワーに押し切られて敗れた。今回は「自分たちの武器で、ボールを保持して、攻撃面で相手の良さを消そうというのをチャレンジしていこうというのはずっと言い続けた大会でした」と金生谷監督。蹴る、繋ぐの判断は選手たちに任せつつ、繋ぐ場面ではしっかりと繋ぐ、浦和らしい攻撃で経験を生かした。
今年の代は「良いものは持っているし、一人一人が持っているものは面白いものがあった」が、公式戦となるとパワーが出し切れず「勝負弱かった」部分があったという。それでも1年を通していろいろな経験を経て成長。「今日こうやって一番大事な決勝で勝てたというのが成長を感じる」と勝負弱さを克服し、最後にタイトルを掲げた選手たちに金生谷監督は目を細めていた。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和レッドダイヤモンズジュニア 1-0 FCアビリスタ
0(前半)0
1(後半)0