立教新座が57年ぶりに4強へ! 3年前の躍進見て入学、「結果を求めた」代が新しい扉を開く
選手権埼玉県大会準々決勝。立教新座は延長戦の末に3-0で越谷西を下し、4強進出を決めた。
立教新座の選手権でのベスト4入りは第43回大会以来57年ぶり(当時は立教。現校名では初)。前田和伸監督は「昨年も何十年かぶりのベスト8だった。自分たちで新しい歴史と言うとちょっと良い言葉ですけど、ちょっとずつ塗り替えてこられたというのはすごく嬉しいこと」と喜んだ。
立ち上がりは一進一退の展開となった。9年ぶりの同ステージとなった越谷西は視野の広さを持つMF長谷部碧(3年)、MF熊澤青波(3年)がボールを収めながらショートパスで打開にかかる。その中で右SHの井上晃介(3年)やFW南雲皓太(3年)が絡みゴールに迫った。
一方、「前半から呑み込んでいこうと。最初はオープンな展開にしたいというところで、サイドからの攻撃をしようというのはこのゲームのポイントにしていた」(前田監督)という立教新座もサイドの高い位置でボールを持って押し込む。特に左サイドのMF大塚康生(3年)はスピードや重心の移動を巧みに使った持ち味の相手を抜くドリブルで何度も抉って好機を連発した。
前半37分には右SBの三浦航(3年)主将の左足のシュートは越谷西のGK竹内耀平(1年)が横っ飛びでセーブ。39分には縦パスに抜け出した大塚のシュートがニアポストを強襲する。
さらに後半5分には大塚のアーリークロスに2枚が飛び込みFW太田裕哉(3年)がボレーで狙ったが、ここも1年生GK竹内が163cmの身体を目一杯使ってセーブし、ゴールは許さない。
決定機を迎えながらもゴールが遠い立教新座は、後半16分にFW齋藤洋大(3年)とMF見山優(1年)を2枚替え。22分にはDF岡本聡吾(1年)を投入し、攻撃力のある左SBの今野朝陽(3年)を1列上げる。今野はポジションを上げた直後にポスト強襲のシュートを放った。
80分では決着がつかず、勝負の行方は延長戦に突入したが、その交代がついに実を結ぶ時が。立教新座は右サイドから齋藤洋がロングスローを放るとDF齋藤隼一(3年)が競り、MF高松大地(3年)が合わせる。これは越谷西GK竹内が弾き、カバーに入った長谷部がかき出したが、その流れで延長前半9分、逆サイドから齋藤洋が投げた遠投がオウンゴールに繋がった。
延長後半3分には岡本のコーナーキックが相手の反則を誘い、PKに。これを中盤の守備でも効いていたMF熊谷哲人(3年)が冷静にキーパーの逆を突いて流し込んだ。勢いに乗る立教新座は5分にも岡本の正確なフリーキックを今野がヘディングで決めて、3-0で勝利を収めた。
「前半に一個取れていたらもっと余裕を持った形で、マイボールの時間を作るのが今年は特徴だったので、もうそこに関しては本当に内容は5点、10点くらいの内容ですけど、やっぱり今年は選手のまとまりがすごく良くて、『彼らが勝ちを欲した』結果だと思います」(前田監督)
今年は3年前の関東大会出場、インターハイ予選ベスト4を見て入ってきた代。「中学時代に全国を経験した選手も中にはいますし、決してチームで主力だった子たちではないですけど、うちに来て高校サッカーをしっかりやりながら、結果をすごく求めてきた選手も多かった」。その想いを持った選手たちが先輩たちもなし得なかった57年ぶりとなる選手権4強を手繰り寄せた。
石黒登(取材・文)
越谷西 0-3 立教新座
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)1
0(延後)2