浦和南は3発発進も不満の残る内容に。今年4度目の成徳深谷戦へ「今日とは別のチームに仕上げる」
選手権埼玉県大会2回戦。シードの浦和南は3-0で越ケ谷を下し、ベスト16進出を決めた。
浦和南はゲームメイカーのMF伊藤北斗(2年)らが外れ、ベンチ入りも含め3年生が占めた。
立ち上がりから押し込んだ浦和南は前半10分、コーナーキックからの流れからFW花里大吾(3年)が上げなおしたクロスボールをDF井上喬介(3年)がヘディングで決めて先制した。
しかしその後がなかなか続かない。花里の抜け出しやDF戸部悠太(3年)の高さを生かしたセットプレーで追加点を狙うが、相手の守備を前に決定的な場面の創出には至らない。逆に1回戦を勝ち(川越南1-0○)、このステージに進んできた越ヶ谷は先に失点したものの、DF内田帆斗(3年)主将を中心にチーム全体で身体を張って粘り強く対応し、よく守っていた。
後半も同じような流れで進んだ中で浦和南は38分、DF安田航大(3年)が強引に仕掛けていってクロスにFW丸山峻也(3年)が決めて追加点。アディショナルタイムには途中出場のMF河嶌恋(3年)のクロスを丸山がヘッドで沈めてこの試合2点目とし、最終的には3-0で勝利したが、野崎正治監督は「ちょっと来週に向けて不安材料がいっぱい」と不満を残した。
この日は普段とは違う4-4-2を採用。システム変更による戸惑いもあった中で「こぼれたボールを繋げないし、初戦の緊張感やシステム変更というのを差し引いてもちょっとお粗末な内容だった」。守備は安定していたものの、中盤の組み立てや前線の崩しの部分が課題となった。
また、チームのストロングであるセットプレーから迫りきれなかったことも追加点がなかなか生まれなかった要因のひとつに。浮沈を握るキッカーのMF宇山友貴(3年)に対して指揮官は「キッカーとして、もう少し精度の高いキックを期待したい」と期待とともに発破をかけた。
ベスト8の相手は成徳深谷となった。今年両雄は3度対戦。関東大会予選では浦和南が2-1で勝利したが、リーグ戦は成徳深谷の1勝1分とまったくの五分で来ており、実力は伯仲だ。野崎監督は「このままだと厳しい。1週間本当に渇を入れて、今日とは別のチームに仕上げようと思う」と意気込み。この日見つかった修正点に真剣に取り組み、今年4度目の決戦に臨む。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和南 3-0 越ヶ谷
1(前半)0
2(後半)0