令和元年度 高校サッカー新人大会 決勝 昌平 vs 西武台
西武台が昨年から受け継いだベース。「半年」のアドバンテージを生かせるかが今年の鍵
惜しくも準優勝に終わった西武台だが、準決勝では正智深谷に押し込まれながらも無失点勝ち、決勝は選手権メンバーが多く残る昌平を1失点に抑えた守備は今年のベースとなりそうだ。
準決勝を終えて守屋保監督は「とりあえずはいまのところ新チームになって徐々にでも守備のところでサボるんじゃなくて、やらせないっていう意識は去年から受け継いできて、その辺は繋がっている。去年は佐野(慧至)キャプテンなど3年生が力がなくても食らいついて、食らいついてというところがあったが、それが去年より半年早くできている。去年はインターハイくらいから自分たちでそういう意識を持ってやれるようになっていった。特に今年はそういう面では絶対にさぼるやつは使わないっていうところから、みんながある程度頑張るところが見えているので、その辺がちょっとはできているのかなと思う。守備のところとか、自分たちで判断してしっかり競るだとか、どこに戻るだとか、そういうのはコツコツ真面目にやってくれているのが見ていても非常に感じる部分。各チームが何をベースにして1年間作っていくのかと模索している中で6ヶ月ちょっと早くスタートできるんじゃないかなと思うので、その点は鍛え甲斐があるというところですね」とベースのアップを語っていた。
昨年は佐野ら気持ちを持った3年生が中心となった粘り強い戦いでインターハイ予選を制覇。選手権予選でもファイナルに辿り着いた。ともにピッチに立った選手も多かった今年の代はそのベースを受け継いでいる。
「サボらないで、みんなで守ってやろうという気持ちは去年よりも強いと思います」というのはDF原田蓮斗だ。強豪が揃う「ジャパンユースプーマスーパーリーグ」でも2試合連続でシュートを打たせなかったりと、少しずつ手応えを感じつつもある。
もちろん決勝で1失点してしまったのは課題。また序盤のチャンスを決めきれなかったことや攻撃のアイディア、スケールアップも必要だ。3−4−3システムをベースとしていくのであれば両ワイドの攻め上がりもさらに増やしていかなければならないだろう。それでもここに着実に上積みをしていければ、昨年以上の景色を見られるという実感は各選手が持っているはずだ。
6ヶ月間のアドバンテージをどう生かしていくか。そこが今年の西武台の鍵を握りそうだ。
石黒登(取材・文)