令和元年度 高校サッカー新人大会 準々決勝 成徳深谷 vs 武蔵越生

埼玉県高校サッカー新人大会・準々決勝(9日、西武台会場ほか)。武蔵越生と成徳深谷の一戦は、堅守を見せた武蔵越生が1ー0で制した。武蔵越生は10年ぶりの大会ベスト4入り。

徹底したチャレンジ&カバー。「やるべきこと」を貫いた武蔵越生が10年ぶりの県4強

「自分たちのやるべきこと」を80分間やり通した武蔵越生が久々の県4強入りを果たした。

試合は前半から高さやフィジカルで上回る成徳深谷がロングボールを入れて押し込む展開。「そうこられるのはわかっていた。1個目で負けても次のボールを拾うとか地道に戻ってくるとか、そういうところで徹底してやれるか」がテーマだったと武蔵越生・西澤浩一監督はいう。

そういった中で武蔵越生は3バックを中心に集中したディフェンスを見せる。ハイボール勝負には競り合いに強い松永浩弥が身体を張って対応。「今日はチャレンジ&カバーをしっかりやろうということで取り組んでいた。後ろで(木村)一世がカバーしてくれていたので、それを信じて、いつもよりも自信を持っていけました」というように、チャレンジの裏では3バックの中央を務める木村一世が常にしっかりとカバーリングに入ってシュートは打たせなかった。

すると後ろの頑張りに前が応える。前半35分、中盤でこぼれ球を拾ったMF米山大智はまだゴールまで距離もあった中で「風もあったので狙っていきました」と右足を一閃。しっかりと芯を捉えたシュートはキーパーの頭上を通り越してゴールネットに突き刺さり、リードを奪う。

ハーフタイムには「自分たちのやるべきサッカー」を再確認。成徳深谷がポジションチェンジを繰り返してくる中でもしっかりと声を掛け合いながら粘り強く戦って、失点0に抑えた。

「同じことをずっとやられているとそのうちどこかでズレが出たり、ちょっと甘くなってしまう部分がある中で、最後まであまりそういうことが出ずやれていた。今日は合格点をあげてもいいかなと思っています」と指揮官もディフェンス面での選手たちの頑張りを評価。ビルドアップにはまだまだ課題を残す中で、守備ではそれぞれが大きな自信を手にした試合となった。

準決勝の相手は王者・昌平。「相手のグループ戦術、個人戦術にどこまで粘り強くやっていけるかというところだけなのかなと思います」と西澤監督。松永は「日本代表になった小見(洋太)くんや須藤(直輝)くんもいる。その2人と対戦するのが楽しみ。止めたい」としながら、「いつも通りみんなで声を掛け合って、粘り強くやっていきたいと思います」と語った。格上相手にもやるべきことは変わらない。粘り強く戦ってジャイアントキリングを引き寄せる。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 0-1 武蔵越生