令和元年度南部支部新人大会3回戦 大宮南 vs 市立浦和

令和元年度南部支部新人大会・3回戦(25日、大宮南会場ほか)。市立浦和と大宮南の一戦は、前半2点を奪った市立浦和が後半の相手の猛攻を1点で凌ぎ切るなど、3ー1で勝利した。

市立浦和は前半21分、MF小松悠太の落としからFW橋本航輝が左足を振り抜いて先制した。さらに33分にはDF三井翔太が前方左サイドにスペースに綺麗なサイドチェンジを通す。これを受けたFW花田大樹はそのままエリア深くに侵入。マイナスのパスは相手選手に当たったが、こぼれ球が再度花田の方に転がってくると、今度は自ら左足で仕留めてリードを2点と広げた。

一方、前半はなかなか仕掛けることのできなかった大宮南も後半に入って反撃を開始。10分、16分とFW田中快が決定的な場面を迎える。これはわずかに枠を捉えることができなかったが19分、守備の一瞬の逡巡の間に飛び込んだ途中出場のFW山下悠真が決めて1点差に迫る。

勢いに乗る大宮南は後半30分過ぎに同点のチャンス。混戦からハイボールをエリア内に送ると、これに抜け出た田中が左足を振り抜く。ディフェンスもプレッシャーに行き切ることができず同点か、と思われたが、ここは市立浦和GK是永峻治が恐れずに前に出てビッグセーブ。「失点シーンは連携がいまいち取れていなくて1対1で失点していた。だから感覚としては次こうすればというのはちょっと考えていたので、いいように身体に当たってくれたと思います」。

すると市立浦和は後半アディショナルタイム、クロスをキーパーがファンブルしたところを途中出場のDF草野隼人が詰めてダメ押しの1点。3ー1として3回戦注目カードをものにした。

高い完成度を示した前半45分間。続く準々決勝で敗れるも今後の成長が楽しみなチーム

市立浦和は後半失速したものの、前半見せた戦いは現時点での完成度の高さを感じさせた。

昨年は4ー4ー2の形だった中で今年は前に人数の多い4ー3ー3に変更し、より攻撃的なスタイルにチャレンジしている。核となるMF船越嶺が中盤底から的確なパスでゲームを展開。その船越と3センターを組む小松はキープや打開に優れるMFだ。花田は昨年トップを務めていた中で「相手を背負った状態の真ん中と違って、サイドだとボールを持ってから結構時間がある。自分はドリブルも特徴だと思っているので、そこでちょっと余裕があるとプレーしやすい」とスペースのある左ウイングで武器のドリブルや攻撃性を存分に見せた。そのほかにも昨年から関わっている選手が半数を占めるなど、現時点での完成度の高さはひとつ抜けている印象だ。

前半は彼らが近い距離感でパスワークやダイレクトプレーで相手を圧倒した。船越は「そこはやっぱりお互いが分かっていないとできない。去年から一緒にやっていて、やりたいことはわかっている。新人戦の時期にしては完成度は高い方だと思います」と、やりたいサッカーをできたことに自信を見せた。一方で後半は運動量が落ちたことで選手間の距離が開いてしまいパスが回らず、逆に強度を上げてきた相手に対し受けてしまう形となり流れを渡す展開に。「そこで流れを変えられる1点を取れなかったのは反省」と小松。明暗がわかれた45分間となった。

昨年からは前々年度の国体優勝監督である大野恭平監督が赴任。「去年はどうしても4月からだったので難しい部分もあっりましたが、今年はスタートから見られている代なので、その分はより自分のチームとしてやりたいことを落とし込めているのかなと思います」。チームとしては20年以上にわたって指導してきた池田一義前監督(現・川口北監督)の「攻めて勝つ」という伝統の色がある中で「より攻撃的に、テクニカルに、攻守において主導権を握って、1試合を通して相手を圧倒していきたい」と、より進化したアタッキングスタイルを目指す。

翌日に行われた準々決勝は浦和南に対し1ー2で敗れ、県大会出場とはならなかったが、指揮官も「良い選手が多い」というように個々の能力値も高く、今後の成長が楽しみなチームだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

大宮南 1-3 市立浦和

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