平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選3回戦 市立浦和 vs 岩槻

平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選3回戦。RHF駒場グラウンドで行われた市立浦和高校と岩槻高校の一戦は、市立浦和がキャプテンのMF髙橋豪がハットトリック、2アシストの活躍を見せて6ー0で快勝した。市立浦和は準決勝で国際学院高校と対戦する。

序盤から市立浦和が圧倒した。開始から積極的にシュートに持ち込むと試合が動いたのは前半17分。DF深谷悠人のスイッチのパスから右サイドでFW島澤一杜がクロスを入れると、FW岡澤友雅が相手DFを外してヘディング。このプレーが相手のオウンゴールを誘って先制した。

前半30分には追加点。島澤のクロスに再び岡澤がダイレクトで合わせると、このプレーが相手DFのハンドを誘ってPKを獲得。これを髙橋がしっかりと左隅に決めて2ー0とした。

しかし前半は17本のシュートを打ちながら2点に止まった。「前半はチームとしてゴールに向かっていくよりも、個人でいってしまう場面が多かった」と市立浦和・池田一義監督。主将の髙橋も「人任せになってひとりでシュートを打たせてしまった」と語ったように、ゴール前ではFWが孤立するシーンが相次ぐなど、「グループとしての崩し」ができずに停滞した。

それでも後半はしっかりと修正。プレー精度を上げながらサイドから徐々に崩しの形を作っていくと、20分に右サイドバックの大森正心の仕掛けから髙橋がエリア内で倒されてPKを獲得。これを自らキーパーの逆をついて3ー0とするとここから連続してゴールが生まれる。

後半23分には右コーナーキックにキッカーの髙橋としっかりとアイコンタクトを取ったというMF吉田侃斗がニアで点で合わせて4点目。後半トップ下から一列ポジションを上げた吉田はこの1点で勢いづくと、その2分後には「豪が縦に行ってフリーになれたのであとは振り抜くだけでした」と髙橋のアシストから、2戦連続の2ゴール目を叩き出して5ー0とした。

後半28分には大森の突破からMF濱田祐太郎を経由して髙橋がドリブルでエリア内に侵入すると、シュートフェイントでキーパーのタイミングをずらしてハットトリックを達成。後半も15本、合計32本のシュートを浴びせた市立浦和が6ー0で勝利し、準決勝進出を決めた。

もちろんチームの目指す先は県大会での上位進出、そして2013年の選手権予選より遠ざかっている県の舞台での優勝だ。「前半はチャンスがあった中で17本打って2点というのはもっと決定力を上げていかないといけない。雑なプレーもあったり、その辺は彼らもわかっていると思う。こんなゲームをしていては甘いというのを自覚してやってもらいたい」と池田監督。

この日6得点のうち5得点に関わり、ハットトリックを達成した髙橋も「まだまだ全然満足していない」としながら「結果にはこだわりたいと思っていたので3点取れたのはよかった」とした。もともとあまり点を決める選手ではないというが、最高学年となり、今年は名門のキャプテンマークを巻くエースナンバー10は「自分がやらなきゃ」と数字にもこだわっていく。

昨年は新人戦は支部予選で敗退、関東大会予選、インターハイ予選、選手権予選では1回戦敗退。1年生の頃から試合に関わる髙橋は「もう自分は悔しい想いを2年もしている。今年にかける思いは人一倍強いと思います」。「最近は昌平とか強い私立が(県のタイトルを)取っているので今年は絶対に自分たちが取れるように頑張ります」と5年ぶりの頂点を目指す。

石黒登(取材・文)

試合結果

岩槻 0-6 市立浦和

0(前半)2
0(後半)4