平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選準決勝 市立浦和 vs 浦和南

平成29年度埼玉県高校サッカー新人大会南部支部予選準決勝。浦和南高校グラウンドで行われた浦和南高校と市立浦和高校の一戦は、市立浦和が押し込む展開も浦和南はMF狩集洸哉が少ないチャンスを2得点に結びつけて2ー0で勝利。浦和南は決勝で南稜高校と対戦する。


県大会と見間違う好カードは支部予選にも関わらず多くのギャラリーの見守る中で行われた。

序盤からボールを握ったのは市立浦和。MF髙橋豪が中心となってボールを繋ぎながら攻撃を展開すると、守備面でも勢いを持ってハイプレスをかけて浦和南に攻める時間を与えない。

受け身に回る展開の多かった浦和南だが、4ー1ー4ー1から狩集をトップにあげて2トップにするとこの決断が奏功した。先制点は前半26分。右サイドをドリブルで運んだFW佐藤智隆が中央にクロスを入れると、狩集が自身2本目のシュートをきっちりと得点に結びつけた。

前半31分には市立浦和に決定機。序盤から何度か見られたFW吉田侃斗のサイドチェンジからチャンスを作ると、右サイドバックの大森正心のクロスにFW島澤一杜がシュート。キーパーが弾いたところにさらにMF鹿屋覚が詰めていったが、ボールはクロスバーを叩いてしまう。

するとここを凌いだ浦和南は前半36分に追加点。MF中道麗心の横パスを受けた狩集が右足を振り抜くと「無回転を狙った」というボールは大きく変化しながらゴール右上隅に突き刺さった。「普段からミドルの練習をしていてそれが出たかなと。ああいうのは得意」と狩集。前半はシュート3本中(全体で4本)2本をゴールへ運ぶなど抜群のセンスで攻撃を牽引した。

後半も市立浦和優勢で試合は進むも、浦和南も引き気味だった守備ラインを修正して対応。クロスに対しても主将のDF西村滉雄を中心にしっかりと跳ね返してゴールは割らせない。

市立浦和は後半17分、吉田の落としから島澤のクロスに髙橋が飛び込むもあと一歩合わず。19分には吉田が自らドリブルで持ち込んでシュートを放ったがクロスバーに嫌われた。その後も相手サードで試合を続けたが、中を固めてきた相手に対し切り込んでいくことができない。アディショナルタイムには髙橋のフリーキックに鹿屋のヘッドが惜しくもゴール左に外れた。

シュート数は市立浦和の16本に対して浦和南は7本。終始、市立浦和がボールを握ったが、守備では相手のアタックを跳ね返し続け、攻撃では少ない好機を得点に結びつけるなど、両ゴール前の部分で勝った浦和南が苦しみながらも勝利し、県大会出場権&ファイナル進出を決めた。

1、2年生にとっては初の支部からの戦い。普段から強豪チームとの練習試合等は経験していたものの、また違った雰囲気の中での戦いに「厳しい試合でした」とキャプテンの西村。野崎正治監督は「勝って県大会出場を決めたのはいいことだが、内容的にはこれからまた高めていかなければいけない面はいっぱいある。気持ち的にまだ弱い。これからです」とした。

そういった中でもチームにとって明るいニュースは狩集の2ゴールだろう。「どこからでもゴールが見えて空いていればシュートを打てるところとFWの時は裏への抜け出しやスピードが武器」というエースは劣勢の中でも結果を残してチームを勝利に導いた。昨年は自らもメンバーとして悔しい想いを経験し「今年はもう全部優勝のつもりで」と話す。今年は背番号10を背負い「責任感を持って毎試合点を取れるように頑張りたい」とゴールでチームを引っ張る。

石黒登(取材・文)

試合結果

市立浦和 0-2 浦和南

0(前半)2
0(後半)0