令和元年度 新人大会西部支部2回戦 慶應志木 vs 朝霞

多彩な攻撃パターンから5得点を挙げた慶應志木が朝霞を破り、支部3回戦進出を決めた。

前半16分にFW黒澤世吾の技ありシュートで先制すると、22分には再び背番号9が「裏に抜けてキーパーと1対1は結構練習でやっていた」と、得意の裏抜けから早々に2点目を奪った。

折り返した後半も優勢にゲームを展開。7分にセットプレーからDF村主悠紀がヘディングで、9分にはエリア左を連携で破り走り込んだMF田口翔太がネットを揺らした。15分にはMF田村優喜のスルーパスに抜け出したMF板谷成がディフェンスを揺さぶって右足で決めた。

朝霞は後半11分にMF羽石大輝のゴールで1点を返すと、アディショナルタイムにDF野村隼斗がPKを決めたが、試合を通じてシュート3本となかなかゴールに迫る場面を作れなかった。

多彩な攻撃パターンを見せた慶應志木。鍵を握る10番の田村優喜「もっと自分を出していく」

昨年は縦の速さを生かしたサッカーを展開した中で今年の慶應志木はさまざまなパターンで攻め込んでいけるのが武器。キャプテンの藤井壮は「去年は縦に速いサッカーだったんですけど、そこにプラスして相手に引かれた時とか、相手の出方に対して柔軟に対応できるというのは去年との違いなのかなと思います」と今年のチームの特徴を話す。得点パターンも昨年のように縦を使った形や連携で崩しての形、セットプレーとさまざまなパターンのゴールがあった。

鍵を握るのは1年生10番の田村だ。尾間木中時代にはひとつ上の代で高円宮杯全日本ユースの関東大会出場に貢献。自らの代でも新人戦Vを果たした。前年度からレギュラーで出場する中で2年生となる今年は10番を背負う。2回戦は決定的なラストパスで2点を演出、キープでも魅せたが、中学時代の彼を見たことがある人ならその最大の武器がドリブルだと知っている。

「上の学年でやっている中でちょっと遠慮してしまう部分がまだある。自分をもっと出して縦への侵入のドリブルを増やして、フィニッシュまで持っていく回数を増やしたい」と田村。今年はチームを引っ張っていく役割を求められる2年生。エースナンバーを背負う意味を考え、「自分」を出していくことができればチームをもう一段二段上に導くことができるはずだ。

次戦・所沢西を破ればここ2年出場できていない関東予選に向けて大きく前進する。「しっかりとそこの出場権を手にすることと、その先の県大会出場、1年を通して県ベスト8っていうのを掲げてやっていきたいと思っています」と藤井主将。まずは今週勝って関東を決める。

石黒登(取材・文)

試合結果

慶應志木 5-2 朝霞