全国高校サッカー選手権埼玉県大会2回戦 大宮南 vs 慶應志木

第98回全国高校サッカー選手権埼玉県大会2回戦(19日、与野八王子会場ほか)。大宮南高校と慶應志木高校の一戦は、序盤からスコアが動いた中で2ー1で大宮南が逆転勝利を飾った。

先制したのは慶應志木だった。前半5分、敵陣左サイドでボールがタッチラインを割ると、1回戦の秀明英光戦でも驚異的なスローを見せていたDF蓮沼介永が準備。長めの助走から放り出されたボールは逆サイドのポストまで届き、これをDF野澤孟が決めて早々に均衡を破った。

先行を許した大宮南だが、焦らずに攻撃を続けると前半11分、ゴール前で獲得したフリーキックの場面でDF大和田蓮斗はキーパーの手前でワンバウンドするボールを選択。これをキーパーがファンブルすると、こぼれ球に突っ込んだMF見目大輔が押し込んですぐさま追いついた。

その後も大宮南は縦に速い展開からFW長倉拓磨やFW澤野秋翔を走らせて前でプレーを展開。相手を押し込んでいく。すると追加点も縦パスからだった。前半22分、後方からのロングボール、普段であればそのままゴールラインを割ったであろうボールが雨を吸った人工芝で止まると、これに追いついたMF田上隼輝のクロスに長倉がニアで粘って押し込み逆転に成功した。

後半は1点を追う慶應志木がこの試合何度も繰り返された蓮沼のロングスローやセットプレーで得点を狙ったが、粘り強く守った大宮南が特殊なピッチコンディションでの一戦を制した。

狙い通りの形から2得点の大宮南が逆転勝ち 次戦はインハイ準V聖望学園との大一番

狙い通りの形から2得点を重ねた大宮南が逆転勝ちでインターハイのリベンジを果たした。

大宮南は前半、より多くぬかるんでいる手前側のピッチを選択。開始早々に相手の予想以上に伸びたロングスローから失点したが、それでもその後はロングボールを多用しながら攻め込む攻撃がピタリとハマった。試合前の練習でそちら側のピッチを経験できたことも大きくすぐに2得点を奪い逆転に成功。V弾を奪った長倉は「裏を狙う意識をみんなで徹底できた」と笑顔。エース澤野も「狙い通り」と、前回は零封された相手に2得点を奪った前半を振り返った。

次戦はインハイ準優勝の聖望学園との大一番。長倉は「みんな聖望が格上だと思っているので、それを喰いにいく気持ちで全力で戦いたい」とし、見目は「自分は絶対に点を決めて勝ちたい」と連続ゴールを誓う。「聖望は今年すべてで4強に入っているので、そこを倒せれば上も見えてくる」と澤野。立ちはだかる壁は大きいが強敵を倒し、上で戦えることを証明する。

石黒登(取材・文)

試合結果

慶應志木 1-2 大宮南

1(前半)2
0(後半)0