全日本U-12サッカー選手権大会埼玉県予選 決勝 江南南(A) vs 浦和レッズJr

JFA第43回全日本U-12サッカー選手権大会埼玉県予選。決勝は浦和レッドダイヤモンズジュニアが江南南サッカー少年団を2ー0で下し、チーム発足7年目にして初の全国行きを決めた。

連覇を狙う江南南と初優勝を目指す浦和レッズの一戦。両軍は6月の関東少年サッカー大会予選決勝でも顔を合わせており、その時は江南南が1ー0で勝利しレッズの連覇を阻んでいた。

ともに繋ぎながらサイド攻撃を狙っていく展開。そういった中でまずペースを握ったのは江南南だ。竹ノ谷優駕と吉野啓太が連続してパス交換しゴールに迫ったほか、夏井琉汰が自慢の右足で存在感。前半13分のフリーキックはクロスバーに嫌われたが、惜しい場面を作っていく。

一方前半はなかなか攻撃の機会を作れなかった浦和レッズも後半に入り反撃を開始。3分の田中一信のシュートは江南南GK大久保奏の好守に阻まれたが、直後のチャンスを得点に繋げた。6分、右サイドに流れた依田爽史からディフェンスの裏に絶妙なクロス。これに反応した小鷹凛太朗が長身を目一杯伸ばして左足で触り、チームに待ちに待った先制点をもたらした。

江南南は直後に竹ノ谷優のミドルが惜しくも枠外。また高精度のキックを連発していた夏野のフリーキックはあとわずかのところまできていたが、ネットを揺らすことはできなかった。

終盤は点こそ動かなかったが浦和レッズが押し気味にゲームを進め、1ー0で関東予選のリベンジに成功。レッズは2013年のジュニアチーム発足から7年目で初の全国大会出場を掴んだ。

小鷹凛太朗の決勝点でレッズJrが初優勝! 関東予選のリベンジに「本当に嬉しいです」

まさにワンチャンスを生かした形だ。決勝点の小鷹凛太朗は「前回関東大会で負けていて悔しいところもあった。その相手に今回こうやって全日で勝てて、本当に嬉しいです」と喜んだ。

前半は一進一退の中で徐々に相手にペースを握られると中盤以降は押し込まれる展開が続き、なかなか前線にボールが回ってくることが少なく、小鷹自身もシュート0本に終わっていた。

それでも1本を狙い続けたストライカーにゴールが生まれたのは後半6分。レッズは右サイドへの展開から依田がディフェンスの裏に鋭いアーリークロスを送る。やや厳しいかと思われたが、このボールに届くと確信していたという長身FWは175cmの身体を目一杯伸ばしてゴールライン際で左足で触り、キーパーの逆をついてしっかりとネットに運んでこれが決勝点となった。「仲間が繋いでくれたボールをしっかり自分が決め切ることができて良かったです」。

関東予選決勝は途中出場だった中で金生谷仁監督のもと11人制を見据えての施策として取り組み始めたばかりだった3ー2ー2システムに慣れずシュートを打つことができなかったが、この日は厳しい展開でもファーストシュートを得点に結びつける勝負強さを見せ、成長を示した。

この夏は「今年は必ず鹿児島に行って、全国を取って、また埼玉に帰ってきたいと思います」と勝負の冬にかける意気込みを語っていた。まずは自らのゴールで“鹿児島行き”を有言実行した。次は全国の舞台でも勝利を積み重ねて、優勝旗とトロフィを持って、埼玉に帰ってくる。

石黒登(取材・文)

試合結果

江南南(A) 0-1 浦和レッズJr
0(前半)0
0(後半)1