全国高校サッカー選手権埼玉県大会2回戦 武蔵越生 vs 立教新座

第98回全国高校サッカー選手権埼玉県大会2回戦。立教新座会場では武蔵越生高校が立教新座高校を1ー0で下し、1回戦の春日部東高校に続き、県リーグ勢を倒して16強入りを決めた。

試合を通して流れは立教新座にあったが、守備で粘りを見せた武蔵越生が接戦をものにした。

前半、立教新座は前でプレーしながらセットプレーなどから押し込み、守っては両ウイングバックが下がった後ろ5枚と中盤の4枚で堅強なブロックを作ってエリアへの侵入を許さない。

ハーフタイムが明けると攻勢を強め、10番のMF庭田直弥がキレのあるドリブルでゴール前に迫っていく。また、前線からの守備もハマり、給水タイム前には連続して敵陣に攻め込んだ。

苦しい時間が続いた武蔵越生だが、それでもここを凌ぐと守備の頑張りが実を結ぶ。前半から仕掛けの意識が高かったMF杉田勇希が一瞬の隙をついてエリア内に切れ込むと、これが相手のファールを誘いPKを獲得。後半29分、DF高橋純平がゴール右に蹴り込んで均衡を破った。

これで攻めるしかなくなった立教新座は切り札のFW渡邉佑を投入し終盤の猛攻にかけたが、徹底して外に蹴り出すなど、最後まで粘り強く守り抜いた武蔵越生が1ー0で熱戦を制した。

粘りの武蔵越生が県リーグ勢連破 自信を深め、次戦はインハイ8強の埼玉栄戦へ

「去年も含め立教新座にはずっと負けていたので勝てて嬉しかった。もうやばかったです」。
歓喜の笛を聞いた瞬間、DF高橋純平は安堵の表情で地面に倒れ伏し、しばらく動けなかった。

そうなるのも無理はない。前半はセットプレーで、後半は前からかけてくる相手に連続して攻め込まれ、1点リードの終盤も猛攻を浴びた。体力的にも厳しい状態の中で高橋は「残り少ない時間でみんなも疲れていたので最後はもう気持ちで戦うしかない」と胸を叩きながらチームを鼓舞。主将のDF岩崎修斗は「サイドで数的優位を作らせないとか、セカンドを拾うだとか、すべてができたわけではないですけど、そういうところを徹底してできた」と勝因を語った。

今季は西部支部リーグを戦う中でなかなか県のトップ勢との対戦で自分たちの実力を測ることができずにいたが、1回戦ではS2リーグ所属の春日部東高校を延長戦の末に2ー3で下し、2回戦では同じくS2の立教新座と、苦しみながらも県リーグ勢に連勝できたことは自信になる。

次なる関門は同じく支部勢(南部1部)ながら関東予選、インターハイ予選で8強と今季実績を残している埼玉栄高校との対戦となるが、いま一番勢いに乗っているチームは気持ちの部分で後れをとることはない。岩崎は「自信はあります。栄相手にも粘って粘ってやっていきたい」と意気込み。高橋は「栄戦も絶対に勝って、スタジアムで活躍したい」と野望を語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 1-0 立教新座

0(前半)0
1(後半)0