第98回全国高校サッカー選手権大会埼玉大会1次予選2回戦 武蔵越生 vs 春日部工業

第98回全国高校サッカー選手権大会埼玉大会1次予選・2回戦。グループHの武蔵越生高校は前後半ともに9点ずつを奪って18―0と春日部工業高校に快勝。代表決定戦にコマを進めた。

武蔵越生は立ち上がりから相手コートでゲームを進めると前半11分、右サイドバックの福田大珠のクロスをニアでMF杉田勇希が詰めて先制。その1分後には再び福田の今度はふわりとしたクロスを、ファーサイドでFW石井悠斗がドンピシャのヘディングで合わせて追加点とする。

勢いに乗ると前半14分にMF渡辺光陽、15分にFW藤原諒、19分にはMF石澤翔基がゴール。また、石井は20分、26分にも得点を重ね、前半だけでハットトリックを達成した。その後も杉田、主将のDF岩崎修斗にもゴールが生まれるなど、9ー0と大量リードを奪って折り返した。

後半もゴールラッシュは止まず。藤原が開始わずか1分で2点を奪い、コンビを組む石井に続いてハットトリックを記録。直後には藤原のノールッククロスから石井がネットを揺らした。

中盤以降もMF鈴木尋人、途中出場のDF小林悠聖がそれぞれ2ゴール。さらに石澤が自身2点目、福田もゴールを決めて後半も圧巻の9得点。終わってみれば18ー0の大勝劇となった。

テクニカルな選手たちが躍動 SB福田は5ゴールに関与 大豆生田コーチ「収穫あった」

リーグではFW小枇ジェイら高さのある選手が名を連ねる中で「今日はテクニカルな選手がスタートだったが、ボールを動かしながら人も動いて良いところにパスを出していた。準備していたプランのまま、順調に点も取れたので合格点は与えられるかな」と大豆生田詔平コーチ。

この日は普段はBチームを主戦場とする「小柄だが、技術値の高い」選手たちが躍動。中でも右サイドバックの福田大珠は後半アディショナルタイムに自ら決めたゴールを含め、5ゴールに絡むなど存在感を放った。コーチも「基本的な能力はある選手。最後まで欲求を持ちながら、常にそういう状況を保てればAでもやれる力はあると思う。収穫はあった」と振り返った。

福田以外にもハットトリックを決めた藤原も遊び心のあるアプローチで好パフォーマンスを披露。今年無敗のリーグ戦では小枇やファーサイドのヘディングに絶対的な強さを持つMF勝田弥痲登の高さを生かしたセットプレーをひとつ武器に得点を重ねているが、そこにこの日のメンバーのテクニカルさがうまく融合することができれば冬に向けて面白いことになりそうだ。

石黒登(取材・文)

試合結果

武蔵越生 18-0 春日部工業