令和元年度 全国高校総体 埼玉県予選準々決勝 聖望学園 vs 細田学園
インターハイ予選準々決勝。聖望学園高校と細田学園高校の一戦は1ー0で聖望学園が勝利し、3大会連続の4強を決めた。準決勝は今年初の決勝進出を狙い、国際学院高校と対戦する。
立ち上がりの時間を経て、徐々にペースを握った聖望学園だが、「前半はコンパクトを意識しすぎてしまって、相手のセンターバックの出所にうまくプレスがかからなかった。長いボールを供給されてしまい、そこから受けて立つような展開になってしまった」と山本昌輝監督。
今季注目タレントのFW塚田悠太郎が切れ味鋭いドリブル突破で何度も左サイドを切り裂いたが、相手に蹴らせてしまった分、スタート位置がやや低く、得点を奪うまでには至らない。
一方の細田学園は集中した守備で相手の攻撃を凌ぐと前半38分、最終ラインの三井涼雲の縦パスからMF板橋健太がドリブルで切れ込んでシュートを狙ったが、これはキーパーに阻まれた。
後半は試合もヒートアップしてくる中で聖望学園FW森田悠仁、細田学園FW斎藤真と両チームのNo.9がそれぞれヘディングでゴールに迫ったが、どちらもネットを揺らすことはできない。
それでも聖望学園は後半34分、サイドから仕掛けて、森田のポストプレーからMF西澤脩瑛が迷わずに右足を一閃すると、直後弾丸のようなミドルシュートがゴールネットに突き刺さりこれが決勝点となった。1ー0で西部支部勢対決を制した聖望学園が19日の準決勝に駒を進めた。
これで新人戦、関東予選に続き、3大会連続のベスト4入り。過去2回は準決勝に泣いた。「ここでなんとかひとつ風穴を開けたいですね」とした山本監督。試合後指揮官からは「お前ら、まだ何も手に入っていないぞ!」と喝が飛んだ。第2代表として出場した2015年インターハイ以来4年ぶり2度目の全国に期待は高まるが、隙なく戦い、まずは今年初の決勝を決める。
チーム1のシュートの名手 MF西澤が弾丸ミドルで決勝点!
「なによりも今日は最後に決めきったシュートがすべてだったと思います」(山本監督)。
後半34分、森田のポストプレーを呼び込んだMF西澤脩瑛は「コースもなんとなく見えていた。タイミングも良かった」とペナルティーライン付近から右足を一閃。直後キーパーの反応をも許さぬ弾丸ミドルが左隅に突き刺さり、これが決勝点となった。本人は「悠仁の落としが良かった」と言って笑ったが、指揮官が「すべて」というのも納得のスーパーシュートだった。
監督曰くチーム1のシュートの名手。怪我でリーグ序盤戦、関東予選は見送ったが、復帰すると第4節の武南B戦で2得点、6節の西武文理戦で1得点を記録。インターハイも2回戦の川越東戦、そしてこの試合とゴールを積み重ねており、強力3トップに加えてチームの得点源だ。
「新人戦は菅間(一輝)が怪我して流れを持って行かれたし、武南とやった関東予選は俺と悠太郎が怪我で出られなかった。今回は万全の態勢で挑めるので正直言って楽しみです」と3度目の準決勝を見据えた西澤。均衡した展開となれば弾丸シュートを決める準備はできている。
石黒登(取材・文)
試合結果
聖望学園 1-0 細田学園
1(前半)0
0(後半)0