令和元年度 全国高校総体 埼玉県予選R16 浦和西 vs 埼玉栄

インターハイ予選3回戦。西武台会場第3試合は埼玉栄高校が浦和西高校を2ー0で下した。

降り続く雨でピッチはそれまでの2戦以上に重く、序盤から蹴り合いの様相となった中で試合が動いたのは前半35分。埼玉栄は左サイドに開いたMF小山翔がエリア内にボールを送るとこれをキーパーがファンブル。こぼれ球をFW藤原統真が右足で落ち着いて決めて先制した。

一方、浦和西はその直前に左サイドハーフの本村圭佑が自陣でのパスカットから単騎でカウンターを仕掛けて絶好のチャンスを迎えていたが、左足のシュートは枠を捉えることができず。

後半も一進一退といった展開となる中で埼玉栄は30分、MF桑田祐輔の左からのコーナーキックをDF石束駿典が「ボールが良くて当てるだけでした」とニアサイドでドンピシャのヘッドで突き刺してガッツポーズ。守っても最後まで0に抑えたオレンジ軍団が2ー0で勝利した。

ワンチャンスを決め切る勝負強さを見せた埼玉栄が関東予選に続くベスト8

両軍思い描くような戦いはできなかった中で、ワンチャンスを決め切る部分が勝負を分けた。

「浦和西はディフェンスも固くて、シュートを打つのは難しかったんですけど、どこかでミスするんじゃないかと思ってそこは狙っていました」と藤原統真。「泥臭さ」「貪欲さ」を信条とするオレンジのセンターFWは前半35分、相手キーパーの取りこぼしを見逃さずに詰めた。

後半も決定的と言えるようなチャンスは多くなかったが、2本のコーナーキックのうち1本を石束駿典がきっちりとヘディングで沈めてダメ押し。効率良く2点を奪って勝利を決めた。

V候補の昌平を破った関東予選に続くベスト8。稲垣忠司監督は「昌平撃破なんていうのは口が裂けても言えない」としつつ、「そういう試合を経験できたことで選手は自信をつけている部分もあると思う。その経験値が今日のようなゲームで自分たちが0に抑えつつ、一個大事なポイントとなるところを取るというように、普段から意識できるようになってきたのかな」。

主将の井上孝太朗は「自分たちのサッカーをするためにはメンタル面も大事。しっかり意思疎通できるように練習からコミュニケーションを多く取ってきた」と、精神面の成長を誇った。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和西 0-2 埼玉栄

0(前半)1
0(後半)1