関東高校サッカー大会 埼玉県予選2回戦 西武台 vs 熊谷

関東高校サッカー大会埼玉県予選2回戦。新人大会ベスト4の西武台高校は後半のゴールラッシュで熊谷高校を4ー0と下した。西武台は20日の準々決勝でふじみ野高校と激突する。


立ち上がりからボールを支配する西武台に対し、熊谷は前線の2枚を残してブロックを形成する形。そんな中で最初の決定機は熊谷。前半12分に自陣からのフリーキックからDF笠原都哉がヘディングシュート。こぼれをMF成田寛紀が詰めるが、これは惜しくもゴール上に外れた。

対する西武台は前半24分、ゴール前のイーブンの浮き球をFW谷直哉が上半身で相手を抑えながらオーバーヘッドシュートで狙ったが、キーパーに寸でのところで掻き出されてゴールとはならず。31分には谷が今度はフリーキックから狙うも、これはクロスバーを叩いた。前半は西武台が12本のシュートを放ったが、自陣を固める相手を攻略できずに最初の40分を終えた。

それでも西武台は後半に入り、一気にペースアップ。すると7分、途中出場のFW南雲俊治の右クロスにファーサイドで谷がヘディングで決めてついに試合の均衡を破る。さらに11分には左サイドバックの栗田海飛のクロス性のボールがそのままゴールに突き刺さり追加点とした。

後半36分にはMF池田上総介のクロスに対してニアに飛び込んだ谷が、首を振りながらファーサイドに流し込む技ありヘッドで、この日2点目をマーク。その2分後には再び池田の展開から今度は右サイドハーフの南雲が、角度のないところから逆ポストに当てながら、ここしかないというコースに突き刺してダメを押した。終わってみれば4ー0と圧倒した西武台がベスト8に進出した。

復活のエース谷が頭で2発 大会5ゴール中4ゴールがヘッドのエアバトラー

新人戦は怪我で出場できなかったエースストライカーの谷直哉が2戦5発と爆発している。

2回戦は相手に引かれる中で前半は個で魅せた。体幹の強さを生かし腕でディフェンスを制しながらオーバーヘッドで迫ったかと思えば、「今季は結構蹴ってますね」というフリーキックがクロスバーを強襲する。前半は無得点だったが、後半に向けてゴールの予感は十分だった。

すると後半7分、南雲のクロスをファーサイドで力強く叩き込んで先制弾。36分には今度は池田の左からのクロスをニアに走りこみながら首を振って逆ネットに流し込む技ありヘッドで2点目とした。ちなみに1回戦の浦和北戦でもハットトリックを決めており、うち2本はやはり得意のヘッドから。「ヘディングは感覚です」というが、体幹の強さやゴール前に入っていくタイミングも良く、昨年の代になかった空中戦の強さという部分で今季の肝になっている。

新人大会支部予選準決勝のふじみ野戦で足首を負傷。県大会では成徳深谷との準々決勝で延長戦のみ出場したが、まだまだとても万全な状態とは言えず、大一番の準決勝・昌平戦では出場は叶わなかった。怪我も癒え、今大会では「自分が決めてチームを勝たせたい」と意気込む。

同じく新人戦の怪我で戦列を離れていたMF池田上総介もすでにスタメンに復帰し、この日は3アシストと躍動。復帰組の活躍も頼もしい西武台が4年ぶり8度目の大会制覇に突き進む。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武台 4-0 熊谷

0(前半)0
4(後半)0